アクセンチュアが生成AIスタジオの開設を発表 企業のユースケース創出を支援CIO Dive

生成AIをどのように活用すべきか、悩んでいる企業は多い。このような企業を支援する生成AIスタジオとは。

» 2023年12月11日 08時00分 公開
[Lindsey WilkinsonCIO Dive]

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 生成AI(人工知能)のサービス統合が加速度的に進む中、企業は「いかにこれを活用するか」「セキュリティやガバナンスの問題をどうするか」など、多くの課題を抱えている。これらをクリアした企業が競合他社に差をつけることは間違いないが、その実現は簡単ではない。

 このような状況を鑑みて、Accentureは2023年11月8日、企業の生成AIの活用を支援することを目的に生成AIスタジオを立ち上げると発表した(注1)。

アクセンチュアの生成AIスタジオとは

 同スタジオは、Accentureが2023年6月に発表したデータやAI関連への30億ドルの投資の中の一つだ(注2)。同社のマニッシュ・シャルマ氏(北米CEO)は「このスタジオは、顧客が明確なビジネスケースを想定し、関心から行動、そして価値へと移行するまでをサポートする」としている。

 まずは米国のシカゴ、ヒューストン、ニューヨーク、サンフランシスコ、ワシントンD.C.とカナダのトロントにスタジオを設立する予定だ。シカゴでは金融サービスと消費者向けに、サンフランシスコではソフトウェアやプラットフォーム、メディアに特化する予定だ。

さまざまな企業と協力し、ジェネレーティブAIのベストな活用方法を探っていく

 Accentureは生成AIの導入に関心を持つ企業の取り込みを支援している(注3)。

 「われわれは過去1年間で、3000件以上の顧客と生成AIに関して対話を行った。北米の生成AIスタジオに呼び込む顧客が増えれば、この数字は今後も大幅に増加するだろう」(シャルマ氏)

 生成AIスタジオに参加する企業は、AccentureのAIやデータの専門家とつながり、同社のパートナーシップや戦略的投資のエコシステムを活用できる。

 また、同社は2023年6月にGoogle Cloudと提携し、特定のビジネスニーズを持つ企業が生成AIを活用ができるようにレクチャーも行っている(注4)。2023年7月にはServiceNowとNVIDIAと提携し、特定分野に特化したLLM(大規模言語モデル)や、生成AI機能の設計、開発に注力するプロジェクト「AI Lighthouse」を立ち上げた(注5)。

 「顧客と私たちは、スタジオでカスタムデモンストレーションやワークショップを行っており、現在は約300の生成AIプロジェクトが進行している。私たちのスタジオはダイナミックであり、デモやプロトタイプ、ユースケースや体験を継続的に追加していく」(シャルマ氏)

 Accentureだけでなく、他の企業もAI機能に多額の投資を行っている。PwCは2023年4月、3年間で10億ドルにも及ぶAI投資のロードマップを発表した(注6)。KPMGは「Microsoft 365 Copilot」をいち早く採用した(注7)。Deloitte Touche Tohmatsuは生成AIに特化した部門を立ち上げ、Google CloudのAI機能を使って業界に合わせたソリューションの構築を計画している(注8)。

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