住友精化が基幹業務システムを「RISE with SAP」へ移行

住友精化が日本IBMとSAPジャパンの支援の下、基幹業務システムを「RISE with SAP」へ移行した。

» 2023年12月06日 11時49分 公開
[関谷祥平ITmedia]

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 SAPジャパンは2023年12月6日、住友精化が基幹業務システムを「RISE with SAP」に移行し、モダナイゼーションと業務プロセスの効率化・標準化を実現したと発表した。RISE with SAPは「SAP S/4HANA Cloud」(以下、S/4HANA Cloud)を中核としたクラウドオファリングだ。

住友精化はS/4HANA Cloud移行と周辺システムの最適配置をどう実現した?

 住友精化は、2023年度から2025年度までの中期経営計画の重点施策に「事業構造の強靭化」「研究開発の結実」「徹底した合理化」「サステナビリティへの取り組み深化」の4項目を掲げており、事業成長につながる「事業構造の強靱化」と「徹底した合理化」を進める上で、継続的な変革と経営方針を支えるビジネスインフラ整備に取り組む必要があった。

 同社は段階的な取り組みの第一歩として、2025年に保守の期限を迎えるSAP ERPを「SAP S/4HANA Cloud, private edition」に移行しながら、周辺システムの最適配置を目的に倉庫管理(EWM)や輸送管理(TM)の新規モジュールの導入を行い、財務・経理から生産、物流、販売まで幅広い業務プロセスを有する基幹システムの安定稼働を実現している。

 また、経営管理基盤「Tagetik」によって、各種レポート作成の自動化や可視化を実現し、業務変革の推進と変化への対応も可能になったとしている。このように多岐にわたるモジュールが関わる移行の中、S/4HANA Cloudや周辺システム、経営管理のプロジェクトを同時並行で推進した。移行には「IBM Rapid Move」を利用した。

 日本アイ・ビー・エムは、IBM Rapid Moveを通して「未確定事項の詳細検討による要件定義フェーズへの移行」「SAP S/4HANAに取り込めない機能の代替ツールの選定」「経営管理チームの立ち上げ」「プロジェクト開始時から継続したチェンジマネジメント活動」などを行った。SAPジャパンは「S/4HANA Cloudへの移行および倉庫管理(EWM)」「『Premium Engagements』サービスによる輸送管理(TM)の新規モジュールの導入」を担った。

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