米McDonald’sが「Google Distributed Cloud」を活用し、世界中にある店舗でデータ分析基盤を整備。クルーの業務負担軽減やサービスの質向上などの実現に向けて活用する。
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米McDonald'sは「Google Cloud」を活用し、数千の店舗にクラウドベースのデータ分析環境を導入してAIソリューションを開発すると発表した(注1)。
両社はハードウェアやデータ、AI技術などの分野で提携し、2024年には高性能な機器とAIプラットフォーム「Vertex AI」、マネージド・データベース・ソリューションを展開する「Google Distributed Cloud」の計算資源とストレージを各店舗に配備する。
McDonald'sのエグゼクティブバイスプレジデント兼グローバルCIOを務めるブライアン・ライス氏は発表の中で、「世界中にある店舗をMcDonald'sが持つデジタルエコシステムの百万ものデータポイントに接続すれば、ツールの精度が上がり、モデルがより賢くなる上、店舗をさらに運営しやすくなる。そして最も重要なことは顧客とクルーの体験が改善することだ」と述べた。
モダナイゼーションは継続的なプロセスであり、強化された機能や新たなテクノロジーが社会実装されていくにつれて進化する。初期のマイグレーションでは、効率性と拡張性を向上させるためにサーバを中央集権化されたデータセンターに移動する形が主流だったが、技術の成熟に伴ってクラウドの範囲も拡大している。
McDonald'sは、Google Cloudが管理するエッジサーバを社内に設置し、高速で遅延の少ないデータ分析の実現と、モバイルアプリや店内のセルフサービス機器などの顧客向けプラットフォームの強化を図る。各店舗ではクラウドベースのソフトウェアとAIソリューションを利用できるようになる。
McDonald'sは2023年12月7日の発表で「今後は機器メーカーによる自動化のイノベーションを加速させ、店舗のゼネラルマネジャーがビジネスの停滞を減らすための解決策を素早く発見・実行できるようになる(注2)。さらにクルーの複雑な作業を減らし、より温かく新鮮な料理を提供できるなど、顧客の利益につながるだろう」と述べた。
McDonald'sは2023年8月にGoogle Distributed Cloudを採用した最大の外食小売企業だ(注3)。ハイパースケーラーであるGoogle Cloudは2023年12月7日に「Gemini」シリーズのLLM(大規模言語モデル)を発表し、数週間かけてVertex AIに導入することを約束した(注4)。
提携の一環として、Google CloudはシカゴのMcDonald'sのイノベーションハブ「Speedee Labs」の近くに専門チームを置き、生成AIのユースケースを模索する。
McDonald'sは、2027年までに5万店舗を新規オープンし、ロイヤリティープログラムを2億5000万人のアクティブユーザーに拡大することを目指している。そしてその頃には、デリバリー注文の30%がモバイルアプリ経由になると見込んでいる。
(注1)McDonald's and Google Cloud Announce Strategic Partnership to Connect Latest Cloud Technology and Apply Generative AI Solutions Across its Restaurants Worldwide(Google Cloud)
(注2)McDonald's Announces New Targets For Development, Loyalty Membership, And Cloud Technology(McDonald's)
(注3)Run data and AI anywhere with new Google Distributed Cloud services(Google Cloud)
(注4)Google drops highly anticipated Gemini LLM(CIO Dive)
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