成長鈍化のPC事業を立て直せるか? Dellが描くAI活用の将来像CIO Dive

Dellは生成AIを活用した製品の販売などを通じて、1年以上にわたって成長が鈍化しているPC事業の立て直しを図っている。同社の将来的な計画とは。

» 2024年04月04日 07時00分 公開
[Matt AshareCIO Dive]

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 Dell Technologies(以下、Dell)は、1年以上にわたって成長が鈍化しているPC事業を持ち直すため、生成AI(人工知能)の導入に注力している。

 副会長兼COO(最高執行責任者)のジェフ・クラーク氏は2024年2月29日(現地時間)、第4四半期決算説明会で、AIに最適化されたサーバに対する企業の強い需要を感じていると述べた。(注1)。

業績低下でも依然前向き Dellが描くAI活用の将来像とは

 「長期的なAIの活動は、顧客がデータと知的財産を安全かつセキュアに保管できるオンプレミスの中で起こると考えている。AIを使った日常業務のほとんどがPCで実行されるようになるため、PCはさらに不可欠なものになるだろう」(クラーク氏)

 決算報告によると(注2)、同社の2023年第4四半期の売上高は前年同期比11%減の223億ドル、通期の売上高は前年度比14%減の884億ドルであり、PC出荷台数はこの2年間、四半期ごとに減少を続けてきた。

 IT関連の市場調査会社International Dataの市場分析によると(注3)、Hewlett-PackardとLenovo Group Limitedに次ぐ第3位のメーカーであるDellは、2023年最後の数カ月に出荷台数が8%以上減少し、打撃を受けたという。

 Dellは2023年、AIに積極的に舵を切り、同年5月にはNVIDIAと協力してサーバにGPUを搭載し(注4)、2024年2月にはErnst&Young Global Limitedと提携してエッジサーバに業界固有のAIツールを搭載した(注5)。そして2024年2月第5週、AIを強化した「Latitude PC」の新たなラインアップを発表した(注6)。

 「より広範な戦略として、AIワークステーションをエッジネットワークと統合し、企業やクラウドプロバイダーに供給することも視野に入れている」とクラーク氏は話す。

 「AIはデータが生成される場所、つまりオンプレミスまたはネットワークのエッジに沿って動く。当社はクラウドサービスプロバイダー(CSP)にサービスを提供し、ハードウェアやGPUサーバ、将来的には『AI PC』など、エッジまでの全てのサービスを提供できるようになる」(クラーク氏)

 ただ、半導体の調達が困難になる中、生産量を増やすことがDellにとって今後の最大の課題になる可能性があると同氏は述べた(注7)。

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