ここまでの話を踏まえると、従業員データを活用して人員配置を最適化する流れは以下のようになります。
ここからは収集、蓄積、活用の流れをベースに、従業員データを活用した人員配置のポイントを3つご紹介します。
最適な人員配置の実現をゴールとした場合、どうしてもデータの活用ステップに目がいきがちです。しかし、最初のポイントは、データの収集をしっかりと組織に定着させ運用することです。収集の運用定着にあたって意識するべきことは2点あります。
1つ目は、人員配置に必要な人事と労務の2つのデータを収集する仕組みを構築することです。
タレントマネジメントシステムで人事データの収集を仕組み化しても、紙などで労務データを収集していると、データが「ぐちゃぐちゃ」「まちまち」になるリスクがあります。
また、人事と労務データの両方で収集の仕組みを構築することで業務効率化につながります。その結果、最適な人員配置といったタレントマネジメントへの取り組みに時間を捻出できます。
入退社情報などの労務データ収集が可能な労務システムとタレントマネジメントシステムの両方を導入している企業の方が、タレントマネジメントシステムのみを導入している企業よりも、タレントマネジメントの推進結果に対する満足度が高いことが分かっています。
さらに、人事データと労務データを一つのシステムで収集する場合、システム間の連携も不要で、必要なデータをさらに効率的に収集できるようになります。
さらに、人事データと労務データを一つのシステムで収集する場合、システム間の連携も不要で、必要なデータをさらに効率的に収集できるようになります。
2点目は、データの収集のしやすさにも注目することです。
データの「まちまち」を防ぐためには、最新の従業員データを無理なく継続的に収集する必要があります。システムを活用して従業員データを収集する場合、人事・労務担当者にとっての操作性や機能の有効性だけでなく、実際に情報を入力する従業員が操作しやすいデザインやシステムになっているかどうかも重要な要素です。
例えばスマートフォンアプリを備えたシステムを利用すると、人事・労務担当者からアプリを通じて評価やサーベイの回答依頼を直接従業員に通知できます。従業員も場所や時間の制約なく自由に回答できるため、最新のデータが工数をかけずにスムーズに収集できるようになります。
従業員データ収集の運用が定着し、システムでのデータ蓄積が進んできたら、いよいよ最適な人員配置に向けてデータの活用を始めます。
データの活用の第一歩としては、配置を検討・決定する方に、既存の業務フローを大きく変えない形で従業員データを共有する方法をお薦めします。
初めてシステムを活用した人員配置を実施する場合、不慣れなシステムや業務フローに抵抗を感じる方が多い傾向があります。既存の業務フローと近しい確認方法だと受け入れやすいでしょう。
例えば、「採用面接前に候補者の履歴書を確認する」などのように従来の情報確認の業務フローに近づけることで、配置を検討・決定する方は感覚的に受け入れやすくなります。人事担当者にとっては、すでにシステム上に蓄積している情報を共有するだけのオペレーションのため、工数面の負荷が比較的少ないというメリットがあります。
収集・蓄積したデータを人員配置に活用する際は、人事データ・労務データを複数活用することで多角的に従業員を把握し、人員配置の成果を高めることが期待できます。
このように、収集と蓄積のステップを効果的に運用すると、経歴や評価推移、サーベイ結果、滞留年数、家族情報など多数のデータを活用した戦略的な人員配置が実現できます。
本記事では、人員配置の重要性や課題感、そして最適な人員配置に当たって従業員データの活用に向けたポイントについて解説しました。
SmartHRは、従業員データの収集や蓄積、活用の一連の流れを一つのシステムで実現でき、最適な人員配置の実現をお手伝いします。
人事担当者のみなさまにとって、本記事が最適な人員配置の実現や従業員データ活用のヒントになりましたら幸いです。
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