生成AIスキルの有無で稼ぎにどのくらい差が出る? AI時代の求人事情CIO Dive

2023年1月以降、生成AI関連のキーワードを含む求人が急増している。生成AIに対する企業の投資が増加する中、求職者は求める給与に応じたスキルセットを習得する必要がある。

» 2024年04月18日 08時00分 公開
[Roberto TorresCIO Dive]

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 Indeedは2024年3月14日(現地時間)、生成AI関連の求人情報が2023年1月以降急増していると発表した(注1)。

生成AIスキルの有無で稼ぎにどのくらい差が出るのか

 生成AIのスキルに直接関連する求人情報は2023年1月から2024年2月にかけて、10万件に3件だったものが1万件に11件(約37倍)になった。

 Indeed経済研究グループのニック・バンカー氏(北米担当経済研究ディレクター)は「AI関連職種全般の求人数の伸び率は生成AI固有の職種の求人数の伸び率よりも緩やかだが、総数では依然として多いままだ」と述べている。

 企業向け生成AIの導入にはある程度の才能が必要だ。AI技術活用の成果は適切なスキルセットがあるかどうかにかかっており、単に機器を接続して動かすような簡単な能力とは程遠いものだ。

 人材市場はこの傾向を反映している。以前のIndeedの報告書によると、生成AIのスキルを持つ求職者はそうでない求職者に比べ、50%近い給与の上昇が期待できるという(注2)。生成AIに精通した人材の平均年収は17万4727ドル(約2702万円)に達する。

 AIの比較的新しいサブセットが発展するスピードの早さも、人材採用を困難にしている要因の1つだ。

 2024年3月第2週に発表されたITコンサルティング会社Infosysの報告書によると、4人中3人近くの経営幹部は、加速する技術革新が、自社の先進技術を扱う能力を上回っていると回答している(注3)。

 バンカー氏によると、テック企業は人材市場に対するアプローチをAIにシフトしているという。

 「この傾向は、技術職に就きたいのであれば、求職者は自分の興味やスキルをAIに傾ける必要があることを意味する。もっと広い視点で考えると、AI関連職種の採用の増加は、AI技術に対する企業の投資がさらに増えていることを示している」(バンカー氏)

 IT業界団体CompTIAによる米国労働統計局の分析によると、企業は2024年2月に43万6000件以上の技術職の求人情報を公開していた。同団体によると、このうち約10件に1件はAIに関連する、あるいはAI関連のスキルを必要とする職種だという(注4)。

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