GSユアサがセキュリティ対策を強化 早期発見・対応を重視して選んだサービスとは?セキュリティニュースアラート

二次電池メーカー大手のGSユアサがセキュリティリスクの早期発見と対策のために新しくサービスを導入した。診断サービスと併せて導入することで「業務負担軽減にもつながっている」と同社が評価するサービスとは。

» 2024年06月17日 07時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 二次電池メーカー大手のGSユアサは、セキュリティ対策強化のために新しいサービスを導入した。

GSユアサが選んだセキュリティサービスとは?

 GSユアサは電気自動車(EV)用リチウムイオンバッテリーの量産化で知られ、国産宇宙ロケットや衛星にも同社製の電池が採用されている。今回の導入の背景には、セキュリティインシデントの発生が続く昨今、国内外の拠点を含めたグループ全体でリスクの早期発見と対応への機運が高まったことがあるという。

 GSユアサが導入したサービスとは何か。

 今回、GSユアサが導入したのは、パロアルトネットワークスが提供する「Cortex Xpanse」だ。

 GSユアサは導入の経緯として、ITサービス企業から2022年2月に「Attack Surface診断サービス」が紹介されたことがきっかけだと明かす。

 Attack Surface診断サービスは、サイバー攻撃の侵入経路となり得るインターネット上のIT資産を特定し脆弱(ぜいじゃく)性の診断からセキュリティ対策までを提案する。Cortex Xpanseが同サービスをASM(攻撃対象領域管理)ソリューションとして使用していることから、GSユアサはCortex Xpanseの導入を検討することにした。

 Cortex Xpanseとセキュリティスコアのレイティングサービスを比較検討した結果、GSユアサはCortex Xpanseの高いリスク発見能力や具体的な対策を提案することを評価して導入した。

 Cortex Xpanseの導入や運用について、GSユアサの時森友樹氏(情報システム部 情報インフラグループリーダー)は次のように述べる。

Cortex Xpanseの導入や構築については特に苦労した部分はありませんでした。運用については、Cortex Xpanseの結果を基にベンダーが分析と対策をまとめ、それを報告会で説明してもらっています。(将来的には)Cortex Xpanseの結果からわれわれが対策を講じることもできるかもしれません。それらも含めて支援してもらえるところがAttack Surface診断サービスの価値であり、業務負荷軽減の意味からも助かっています。

 GSユアサは今回の導入によって、グループ子会社のセキュリティ状況の把握が容易になり、具体的な指摘による改善が図れるようになったと評価する。自動車メーカーから特定機器に関する脆弱(ぜいじゃく)性を喚起する通知が届いた場合、従来は対象機器の使用状況をグループ全体で調べていたが、Cortex Xpanse導入後は該当機器が容易に判明するようになったことから、「グループ全体のリスク対策管理ツールとして効果を発揮している」としている。

 今後は、事業部門によるクラウドサービスの利用や権限管理などにおける課題解決のために、Palo Alto NetworksのSASE(Secure Access service Edge)ソリューションである「Prisma Access」の導入も検討しているという。

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