2023年後半からDDoS攻撃が“爆増” 狙われている業界はどこか?Cybersecurity Dive

Zayo Groupによれば、2024年上半期のDDoS攻撃は2023年下半期から2倍以上に増加し、106%に達したという。直近ではDDoS攻撃によってMicrosoft Azureが約8時間にわたって機能停止した事例が報告されている。

» 2024年08月28日 07時00分 公開
[David JonesCybersecurity Dive]

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Cybersecurity Dive

 通信インフラサービス企業であるZayo Groupの研究者が2024年8月15日(現地時間)に発表したところによると(注1)、2024年上半期のDDoS攻撃は2023年下半期から2倍以上に増加し、106%に達したという。この報告は、2024年上半期にZayoの顧客に対して実行された6万2000件以上の脅威に基づいている。

爆増するDDoS攻撃 狙われる業界はどこか?

 報告によると、2023年に比べてDDoS攻撃は激しさを増しており、2024年上半期は1回当たり約45分間続いたという。攻撃は組織に対して1回当たり約27万ドル、1分当たり約6000ドルの損害を与えている。

 2024年7月下旬にMicrosoftが大規模なDDoS攻撃を公表した数週間後に、この報告は発表された(注2)。攻撃によって「Microsoft Azure」および「Microsoft 365」が約8時間にわたり停止した。Microsoftは「同年11月までにMicrosoft Azureのネットワークでの検証をさらに強化し(注3)、監視も改善する予定だ」と述べている。

 Zayoによると、DDoS攻撃によって最も狙われているのは依然として通信業で、攻撃の57%を占めている。しかし、現在では製造業が最大の攻撃に直面しており、小売業界からその座を奪った。また報告によると、医療業界もより深刻な攻撃に直面している。

 2023年にDDoS攻撃が急増し、攻撃の規模や能力が大幅に向上したことを受けて、この報告は発表された。

 サイバーセキュリティ事業を営むCloudflareによると(注4)、DDoS攻撃は2023年に過去最高を記録した。この結果は、新たに発見されたゼロデイ脆弱性を悪用した大規模なDDoS攻撃「HTTP/2 Rapid Reset」が大きく影響している(注5)。

 この他、クラウドサービスプロバイダーのAkamaiと、金融機関向けの情報分析センターであるFS-ISACが2024年3月に発表した報告では(注6)、金融サービス業界に対するDDoS攻撃が急増していることが明らかになった。

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