富士通ゼネラルがメインフレームを刷新してクラウドERPを稼働

富士通ゼネラルは30年以上にわたって基幹システムとしてメインフレームを稼働してきた。システムの複雑化と属人化が進み、IT負債が生じ、クラウドERPへの移行を決断した。

» 2024年08月28日 14時45分 公開
[大島広嵩ITmedia]

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 富士通ゼネラルは、主力の空調機事業を100カ国以上で展開し、創業88年の歴史を持つ。海外市場が連結売上高の7割以上を占めるグローバル企業だ。

 同社はパブリッククラウドのWebアプリケーションとメインフレームを連携させるなどのさまざまな工夫をすることで、メインフレームを基幹システムとして30年以上利用してきた。

 システムの複雑化と属人化が進み、IT負債が生じていた。データドリブン経営への転換とビジネスモデル改革、生産性向上を実現するため、新たなIT基盤への刷新が不可欠となっていた。

メインフレームからクラウドERPへ

 SAPジャパンは2024年8月18日、富士通ゼネラルが「RISE with SAP S/4HANA Cloud Private Edition」と「SAP Business Technology Platform」(SAP BTP)を採用し、2023年10月に本稼働させたと発表した。

 富士通ゼネラルは、IT負債の解消と予測型事業運営の実現、SAP BTPを活用することによる、データの効果的な活用と業務プロセスの標準化を図るという。

 新システムの導入により、富士通ゼネラルはアドオンの50%削減、出力帳票の95%削減を達成した。業務の生産性向上による人的リソースの新規ビジネスへのシフト、データを活用した予測型事業運営の実現などを目指すという。移行の詳細はリンク先から確認可能だ。

 富士通ゼネラルの前田一郎氏(IT統括部 統括部長)は、「生産性向上によって生まれた人的リソースは、収益性の改善や新規ビジネスの創出にシフトしていきます。業務改革として、現在90%を占めるルーティン業務を40%まで圧縮し、残りの60%を戦略系業務に充てることを目指しています」と述べた。

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