UNIXなどで広く使用されている印刷システム「CUPS」のcups-browsed機能に深刻な脆弱性が見つかった。この脆弱性はリモートコード実行やプリンタ設定の乗っ取りに悪用される可能性がある。
この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。
The Linux Home Page at Linux Onlineは2024年9月26日(現地時間)、「UNIX」および「GNU/Linux」で広く使用されている印刷システム「CUPS」に深刻な脆弱(ぜいじゃく)性が存在することを伝えた。
CUPSの「cups-browsed」機能に関連した問題とされ、悪用された場合、システムのプリンタ設定が乗っ取られるだけでなく、リモートコード実行に利用されてしまう可能性がある。CUPSのcups-browsedはネットワークにあるプリンタを自動検出し、システムに追加するサービスだ。
今回の脆弱性は、「Linuxディストリビューション」や「ChromeOS」などCUPSがデフォルトで有効化されている多くのシステムに影響を与える可能性がある。リモートからプリンタのInternet Printing Protocol(IPP)で指定したURLを置き換えたり、新しいプリンタを追加したりすることで印刷ジョブの開始時に任意のコマンドが実行される恐れがある。
この脆弱性の悪用には主に2つの方法がある。一つはパブリックインターネットを介した方法で攻撃者がポート631にUDPパケットを送信し、認証なしで攻撃を開始できるというものだ。もう一つはLAN内での攻撃でZeroconf、mDNS、またはDNS-SDアドバタイズメントを偽装してリモートコード攻撃を仕掛けることが可能とされている。
推奨されている対策は以下の通りだ。
発見された脆弱性は開発者やCERTに対して通知されているものの、十分な対応がされていないことが指摘されている。CUPSを利用するシステム管理者は推奨されている対策を実施するとともに注意を払うことが求められる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.