ガートナーの調査によると、企業のデジタル施策の成功率は5割に満たないという。しかし、成功率の高い企業にはある特徴が見られることが分かった。
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Gartnerが2024年10月22日(現地時間)に発表したデータによると、企業のデジタル施策のうちビジネス目標を達成、もしくは上回っているのは48%だった。同社は3100人のCIO(最高情報責任者)と技術部門の幹部、1100人のIT部門以外の経営層を対象に調査を実施した。
成功率が低いにもかかわらず、CIOの80%以上が「2025年はサイバーセキュリティや生成AI、データ分析などの主要な技術分野への投資を増やす予定だ」と回答している。
生成AIは新しい技術だが、クラウドやSaaSのような従来の企業向けサービスの導入と共通する点がある。それは、経営層が投資に対するリターンを求めているという点だ。2025年のデジタル投資を成功させるために必要なことは何だろうか。
Gartnerによると、CIOと非技術部門の経営層が共同でデジタル施策を推進することで成功率が上がるという。CIOとCxOが直接協力して取り組んだ場合、成功率は71%に上昇すると報告されている。
Gartnerのハイメ・カペラ氏(リサーチ担当特別上級バイスプレジデント)によると、ビジネスで成果をもたらす技術の導入戦略には経営層同士の協力が不可欠だという。
「デジタル施策の成功に向けた取り組みはチームスポーツだ。CIOとCxOが密接に協力することで、企業は相互依存関係やアーキテクチャ、セキュリティのコンプライアンス要件をより効果的に管理し、実現可能な範囲をより明確に把握できる」(カペラ氏)
Gartnerが「デジタル先進企業」と呼ぶ、プロジェクトの成功率が最も高い企業の経営層は、CIOとの接点が他の経営幹部より4倍も多いという。特に技術部門の経営層が協力的な姿勢を示すことで、ビジネス部門全体に対してより建設的に関わることができる。
「CIOは、ビジネス部門がIT部門と共にデジタルを主導し、構築しやすくしなければならない。そのためには、従来のサービス提供の枠を超える考え方が必要だ」(カペラ氏)
Gartnerによると、成功率の高いグループのCIOはIT部門だけでなく、組織全体に利益をもたらす技術にも投資しているという。
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