ITRによると、ビジネスチャット市場は上位ベンダーによる寡占化が進み、2023年度は前年度比16.8%増となった。2028年度には500億円超の市場規模となる見込みだ。
アイ・ティ・アール(以下、ITR)は2024年12月17日、国内ビジネスチャットの市場規模推移と予測を発表した。
ビジネスチャット市場の2023年度の売上金額は266億5000万円で、前年度比16.8%増となった。市場を構成するベンダーのほとんどが前年度から売り上げを伸ばし、特に上位3社の2桁増の伸びが市場の成長に大きく寄与したとITRは分析する。
2024年度も同様の傾向により同19.7%増と2023年度を上回る伸びを予測しており、上位ベンダーによる寡占化がさらに進むとITRはみている。
ビジネスチャットは、手軽さやスマートデバイスとの親和性の高さから主要なテキストコミュニケーション手段として定着し、業種や企業規模を問わず幅広く導入が進んでいる。加えて、他製品やサービスとの連携によるプラットフォーム化や、データ共有などのコラボレーション機能の高機能化により付加価値がさらに高まっている。これにより、社内情報の取得や各種申請手続き、スケジュールの設定など、コミュニケーション以外での活用も広がっていることから、今後も導入の増加が期待できるとITRは説明する。
これらのことから、同市場のCAGR(年平均成長率)は14.2%となり、2028年度には500億円超の市場規模なるとITRは予測する。
ITRの舘野真人氏(プリンシパル・アナリスト)は、「ビジネスチャットは、オフィスワークとリモートワークが混在するハイブリッドワークが一般化する中で、従業員同士の手軽なコミュニケーション手段として定着している。その上、近年は、各種業務システムや生成AIサービスのフロントシステムとしても活用されるようになり、人とシステムをつなぐインタフェースとしての役割も担う。幅広い業務プロセスを効率化するためのツールとして、今後も堅調な成長が期待できる」とコメントする。
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