IT人材の高収入トップ4 AI時代に重宝される「AIじゃないスキル」とは?CIO Dive

AIの導入や活用が本格化する今、企業のIT人材へのニーズやその給与はどう変化しているのか。ある調査で高収入を得られるIT人材トップ4が明らかになった。

» 2025年01月17日 08時00分 公開
[Lindsey WilkinsonCIO Dive]

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CIO Dive

 IT人材不足が続く一方で、企業が実施するスキルアップ研修などによって求人市場はもはや「売り手市場」とは言えないとの声も挙がる。

AIブームで需要が増えた「AI以外」のスキルとは?

 こうした中で、企業が今、高い報酬を支払ってでも欲しいと考えているIT人材とは何か。ある調査から明らかになった、今、高収入を得ているIT人材トップ4を見てみよう。

 学習コンテンツを制作するSkillsoftのオーラ・デイリー氏(CIO《最高情報責任者》)は現在の求人市場について「求職中のIT人材はかなり多い」と「CIO Dive」に語った。

 同社が5000人以上のIT意思決定者や企業の経営幹部を対象に実施した調査を基にした「ITスキルおよび給与に関する年次報告書」によると、北米における2024年のITエンジニアの平均年収は11万3211ドルだった。2023年比で5%上昇した(注1)。

 クラウド分野とITアーキテクチャ分野のエンジニアは、IT部門で経営幹部に次ぐ高収入を維持している(注2)。一方、サービスデスクやITサポートの担当者は依然として最下位だ。

 「新しい分野や発展途上の分野の場合、そのスキルを備えた従業員は会社を選ぶ立場にある。しかし、汎用(はんよう)的もしくは従来型の技術スキルを持つ求職者は、企業側が有利であることに気付くだろう。自分が持っているスキルがどの分野に属しているかが重要だ」(デイリー氏)

AI時代にも重宝される「基礎的なスキル」

 Skillsoftのデータによると、米国で最も高収入なIT人材は以下の4つだ。

1. ITアーキテクチャとデザイン

 ITアーキテクチャとデザインのスキルを持つエンジニアの平均年収は15万6147ドルだ。2023年の調査ではクラウドコンピューティングの後塵を拝していたが、2024年は首位に躍り出た。

 デイリー氏によると、2024年にAI導入を実施した企業は基礎的なスキルが依然として必要なことを実感したという。2025年もリーダーがAI関連の計画を大幅に変更することはないだろう。

 「大きな変化が起こるというよりも、これまでの傾向がさらに強まるだろう」(デイリー氏)

2. クラウドコンピューティング

 クラウドコンピューティングの職務に就くIT人材の平均年収は約14万2902ドルだ。2023年の調査ではトップだったが、2024年は2位に後退した。

 順位は下がったものの、クラウドスキルには依然として高い需要がある。非営利団体のCompTIA(Computing Technology Industry Association)の分析によると、IT業界においてクラウドインフラは2023年10月に活発化した採用活動をけん引する主要職種の一つだった(注3)。また、米国で給与が高い人々の持つ資格の多くが、クラウドスキルを必要としている(注4)。

3. プロジェクトマネジメント

 プロジェクトマネジメント(PM)職の平均年収は12万9750ドルだった。およそ10社中1社がこのPMという中堅管理職の人材不足に悩んでいる。

 「AIが全てではない。企業は他の分野を忘れるわけにはいかず、幸いにも忘れてはいない」(デイリー氏)

 Skillsoftのデータによると、約22%の企業がPMを今後の重要な投資分野と見なしている。回答者の5人中3人が、「このスキルは特にITリーダーに不可欠だ」と答えている。

4. IT監査やガバナンス、リスク、コンプライアンス

 IT監査やガバナンス、リスク、コンプライアンスに関連する職務に就くIT人材の平均年収は12万8355ドルだ。

 この職種は、部門全体の監視役として機能している。Skillsoftによると、4分の1の企業が2025年の重要投資分野としてガバナンスやリスク、コンプライアンスを挙げている。また、5社中1社がガバナンスやリスク、コンプライアンスのスキルセットが「低い」または「やや低い」と回答している。

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