SophosはMDRサービスを提供するSecureworksを8億5900万ドルで買収した。これによって、SophosはMDRサービスのプロバイダーとして最大手の地位を築き、全世界で2万8000社の顧客基盤を持つことになる。これによって何が強化されるのだろうか。
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サイバーセキュリティ企業のSophosは、顧客に代わりセキュリティを運用するMDR(Managed Detection and Response)サービスを提供するSecureworksを買収した(注1)。この買収は2025年2月3日(現地時間、以下同)に完了し、対価となる8億5900万ドルは現金で決済された。
Secureworksの買収により、SophosはMDRサービスのプロバイダーとして最大手の地位を築き、全世界で2万8000社の顧客基盤を持つことになる。
この合意により、Sophosが「Sophos X-Ops」として運営する脅威インテリジェンスの機能が強化される。具体的には、Secureworksの脅威インテリジェンスチームである「Counter Threat Unit」(CTU)や、セキュリティ運用およびアドバイザリーに関するサービスが加わり、脅威の検出および対応に関する能力が向上する。
当面の間、SophosとSecureworksはそれぞれのブランド名の下で運営を続け、各自の顧客基盤にサービスを提供する予定だ。
2024年10月に最初に発表された本合意は、サイバー業界で近年行われている一連のM&Aの最新の事例だ。
Sophosのジョー・レヴィ氏は「この度の統合により、Sophosはサイバー攻撃の軽減を目的とした適応型の保護および検出、対応のために、数百の組み込み型の統合機能を備えた比類のないセキュリティ運用プラットフォームを提供できるようになる。オープンで拡張性に優れたこのプラットフォームは、多様なIT資産を持つ企業が、現在および将来のテクノロジー投資を保護し、運用効率を高め、サイバーセキュリティの費用対効果を高めるために役立つ」と述べた。
ランサムウェア攻撃や、サイバー領域における国家の諜報活動の拡大により、脅威の検出や軽減に関連する技術に対する世界的な需要が高まっている。
サイバーセキュリティ事業を営むTenableはイスラエルのテルアビブに本拠を置き、脆弱(ぜいじゃく)性管理とリスク軽減サービスを提供するVulcan Cyberを1億5000万ドルで買収する買収する契約を2025年1月に交わした(注2)。本取引の対価のうち1億4700万ドルは現金で支払われ、300万ドルは制限付き株式で支払われる予定だ。
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