スーパーコンピュータ「富岳」の問い合わせ対応がAIチャットbot「AskDona」に完全移行した。このAIはRAG技術を活用して高精度な自動応答を提供し、利便性の向上が期待されている。
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GFLOPSと理化学研究所(理研)は2025年2月18日、理研のスーパーコンピュータ「富岳」サポートサイトにおけるおける一次問い合わせ対応を、GFLOPSが提供する生成AIチャット「AskDona」へ完全移行したと発表した。従来の有人対応からAIを活用した自動応答へと変革する。
「AskDona」は検索拡張生成(RAG)技術を活用した生成AIチャットであり、2024年7月に富岳サポートサイトへ導入されていた。RAG技術を使うことで富岳のマニュアルや技術ドキュメントをリアルタイムで参照しながら適切な回答を生成し、ユーザーの自己解決を促進する仕組みだ。導入に当たっては回答精度について厳正に審査されており、大量かつ複数ファイルを同時に対応できる独自のRAGの仕組みが高く評価されている。
この約半年間の運用実績においてAskDonaは富岳利用者からの問い合わせに対し的確な回答を提供し、自己解決を促進するツールとして十分に機能することが確認された。またハルシネーションのリスクやユーザーの利用動向を慎重に分析した結果、回答精度および実用性が一次問い合わせ対応に適した水準に達していると判断された。これを受け、2025年2月より「富岳」利用者の一次問い合わせ対応はAskDonaに完全移行し、さらなる利便性の向上が図られることとなった。
理研計算科学研究センター(R-CCS)は生成AIの活用を積極的に推進しており、富岳のサポート体制におけるAI技術の導入を進めている。R-CCSのセンター長の松岡 聡氏は富岳の社会実装を見据え、生成AIとの融合に対するビジョンを示している。
AskDona完全移行により、富岳利用者の問い合わせ対応の効率化を図る他、人的リソースをより高度なサポート業務に集中させる。加えてAIの活用による迅速な対応が可能になり、利用者の利便性が大幅に向上することが予想されている。
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