GoogleとSalesforceが密連携 AIエージェントでGeminiのマルチモーダルAI活用が容易に：技術トレンド

SalesforceとGoogleが戦略的パートナーシップの拡大を発表した。Salesforceのサービス基盤をGoogleが提供、SalesforceはGoogleの各種AIサービスを活用しやすい環境を整える。

[後藤大地，有限会社オングス]

　SalesforceとGoogleは2025年2月24日（現地時間）、戦略的パートナーシップの拡大を発表した。これによりSalesforceが提供するAIエージェント「Agentforce」でGoogleのAIモデル「Gemini」を利用可能になる。これによりAIエージェントで画像や音声、動画を扱得るようになる見込みだ。他にもSalesforceでGoogleのAIを活用する動きが進む。

SalesforceとGoogleがAI提携を拡大 - 企業向けAIの進化を加速

　SalesforceとGoogleが発表した今回のパートナーシップにより、SalesforceのAgentforceは画像、音声、動画を横断した複雑なタスクをGeminiのマルチモーダル機能と200万トークンのコンテキストウィンドウを使用して処理できるようになる。また、「Google Search」や「Vertex AI」を使ったインサイトや回答からリアルタイムの情報に基づく自律的な動作が可能になる。

　この他、Salesforceの「Service Cloud」はGoogleの「Customer Engagement Suite」とより緊密に統合され、リアルタイムの音声翻訳、インテリジェントなエージェント間の引き継ぎ、パーソナライズされたエージェントの推奨、AI駆動の会話インサイトなど、AI対応のコンタクトセンター機能が強化される。

　SalesforceはAgentforceや「Data Cloud」「Customer 360」をGoogle Cloudインフラ上で稼働させる。これにより、リージョンの追加や「Google Cloud Marketplace」を通じたソフトウェア調達が簡素化される。

　今回の提携拡大により、SalesforceとGoogle Cloudは企業がAIを活用した業務の自動化や顧客対応の高度化を促進できる環境を提供する。企業は柔軟なAIモデルの選択肢を得るだけでなく、強力なインフラストラクチャーと統合されたプラットフォームを通じて、より効率的かつスケーラブルなデジタル戦略を構築することが可能となる。これにより、AIを活用したビジネスの変革が一層促進され、競争力の強化につながることが期待される。