Google Password Manager(GPM)がiOSと連携し、Google Chromeで利用されるパスキーがiOSでも同期可能になった。これによって、異なるプラットフォーム間での利用制限が解消され利便性の向上が期待できる。
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Ars Technicaは2025年2月26日(現地時間)、Googleが提供する「Google Password Manager」(以下、GPM)が「iOS」と本格的に連携するようになったと報じた。「Google Chrome」(以下、Chrome)を利用する全てのプラットフォームでパスキーの同期が可能となり、利便性が向上する。
これまでパスキーの保存先は使用するプラットフォームやWebブラウザによって異なり、iOSでは主に「iCloud キーチェーン」に保存される一方、Chromeでは「Google アカウント」に保存される。このため、「Windows」でChromeを使用して作成したパスキーはiCloudには同期されず、iCloudのパスキーもGoogle アカウントとは直接連携しないため、異なるプラットフォーム間での利用に制限があった。
GPMとiOSの連携が可能となり、Chromeが対応している全てのプラットフォーム間でGPMを利用してパスキーが同期できるようになった。GPMはChromeに組み込まれたパスワード管理ツールであり、同じGoogleアカウントにログインしている全てのChromeブラウザ間でパスキーを同期できる。
Chromeだけでなく「Kayak」「eBay」「LinkedIn」などのスタンドアロンアプリでもGPMを使ってパスキーで保護されたアカウントでログインできる。なお、パスキーはFIDOアライアンスの仕様に基づき、エンド・ツー・エンド暗号化によって安全に同期される。
iOSでGPMを利用するには、設定アプリから「一般」にある「自動入力とパスワード」に進み、「Chrome」を有効にする必要がある。その後、パスキーを利用する際にPINコードの入力を求められる。「Google Pixel」を使用している場合、画面ロックコードで認証が可能とされており、それ以外のユーザーは別途PINを設定する必要がある。
今回の連携によって利便性の向上が期待できる一方で、依然として異なるパスワードマネジャー間でパスキーを一括移行する手段が提供されていないという課題は残っている。FIDOアライアンスはこれに向けて、パスキーの転送機能に関する取り組みを進めている。現時点ではパスキーの移行は難しいもののFIDOアライアンスの対応により、将来的には異なるパスワード管理ツールやアプリ間でのパスキーの移行が容易になることが期待されている。
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