MUFGとSakana AIが金融業界の変革を目指し、戦略的技術提携を結んだ。社内文書作成の自動化などを皮切りに、AI導入を段階的に進める。Sakana AIの技術力とMUFGの実務知見を融合し、AI活用の先進モデル構築を目指す。
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Sakana AIおよび三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)傘下の三菱UFJ銀行は2025年5月19日、今後3年以上にわたる包括的な戦略的技術パートナーシップ契約を締結したと発表した。Sakana AIは同行の業務変革を目的とした金融特化型AIの開発と実装支援を担う。併せて、Sakana AI共同創業者兼COOの伊藤錬氏がMUFGのAIアドバイザーに就任する。
2025年7月からの半年間を「パイロットフェーズ」と位置付け、社内外文書作成プロセスの自動化に取り組む。既存の生成AIによる単なる情報要約を超え、業務の目的に沿った判断や文書作成を自動化することが目標となる。パイロットフェーズ終了後は、三菱UFJ銀行のエンタープライズシステムへの本格導入を進め、他の業務領域へも適用を拡大する計画だ。
MUFGは中期経営計画において「企業変革の加速〜会社がかわる」を柱の一つに掲げ、AIとデータ基盤の強化による経営変革を推進中である。今回の提携は、その方針の具体的な一環と位置付けられている。
Sakana AIは2025年に事業開発本部を新設し、社会課題の解決とビジネス価値の創出を両立させる体制を整えた。金融分野はその中でも特に重要な領域と捉え、今回の提携に至った。
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