Googleは2025年5月21日、新機能「AI Mode」を米国で正式に開始した。Gemini 2.5を活用し対話型検索や「Deep Search」「Search Live」など多彩な機能を提供する。エージェントによるタスク代行や試着機能なども搭載し、検索体験を進化させた。
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Googleは2025年5月21日(現地時間)、検索体験を革新する新機能「AI Mode」の正式提供を開始した。従来の検索方式に加え、生成AIを活用した対話型の検索体験を提供するものだ。Google検索およびGoogleアプリの検索バーに新たなタブとして表示され、ユーザーは従来の検索と並行して利用できる。まずは英語環境の米国ユーザーを対象に、今後数週間かけて段階的に展開する。
AI ModeはGoogleの高度なAIモデル「Gemini 2.5」のカスタムバージョンを搭載し、複雑なクエリに対しても高度な推論とマルチモーダルに対応する。ユーザーは、追加の質問やWebへのリンクを通じて、より深い情報探索ができる。
AI Modeの中核技術として「クエリファンアウト」が採用されている。これは、ユーザーの質問を複数のサブトピックに細分化し、それぞれに対して同時に検索を実行する技術で、従来の検索よりも深くWebを探索し、関連性の高い情報を効率的に収集できる。
さらに、AI Modeには「Deep Search」と呼ばれる機能が導入される。この機能は、数百の検索を同時に実行し、散在する多様な情報を横断的に分析して、専門家レベルの引用元を網羅したレポートを短時間で作成するものだ。
AI Modeには、視覚情報と検索を融合させた「Search Live」機能も組み込まれる。ユーザーがカメラを使って目の前の物体を映すことでリアルタイムで検索できる。
また、AI Modeはユーザーの代わりに作業するエージェント機能も備えている。イベントのチケット購入やレストランの予約など、具体的なタスクをAIが代行する。
ショッピング体験においても、AI Modeは新たな機能を提供する。ユーザーが自身の写真をアップロードすることで、仮想的にアパレル商品を試着し、最適な商品を見つけられる。「Google Pay」を活用したエージェント型チェックアウト機能により、購入手続きもスムーズに行える。
AI Modeはユーザーの過去の検索履歴や「Gmail」などのGoogleアプリとの連携を通じて、よりパーソナライズされた検索結果を提供する。これにより、ユーザーの個人的な文脈に基づいた、最適な情報提案ができる。これらの機能はユーザーの管理下にあり、いつでも接続や活用を停止できる。
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