迫るWindows 10サポート終了 “すぐには移行しない勢”向けの手段とは?セキュリティニュースアラート

Microsoftは2025年10月にWindows 10のサポートを終了しWindows 11およびCopilot+ PCへの移行を促進する方針を示した。移行支援策として幾つかの選択肢が用意されることも分かっている。“すぐには移行しない勢”向けの手段とは。

» 2025年06月27日 07時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 Microsoftは2025年6月24日(現地時間、以下同)、「Windows 10」のサポート終了と「Windows 11」および「Copilot+ PC」の普及に関して発表した。2025年10月にはWindows 10の公式サポートが終了するため、ユーザーは移行計画の立案と実行を迫られている。発表によると今後の主力はWindows 11とAI機能を活用したCopilot+ PCおよびクラウドベースの「Windows 365」となり、それぞれが新たな作業環境の基盤となる構想だ。

迫るWindows 10サポート終了 “すぐには移行しない勢”向けの手段とは?

 2025年10月14日以降、Windows 10はセキュリティ更新や技術的支援の提供が停止され、サイバーリスクへの脆弱(ぜいじゃく)性が増大することが明言されている。アプリケーションの一部は機能制限やサポート停止が生じる可能性があることも説明がある。これらのリスクを回避する手段として、Windows 11への移行かWindows 365の導入が提案されている。

 Windows 10からの移行には時間がかかる現実もある。これに対処するためMicrosoftはWindows 10の延長セキュリティ更新プログラム「ESU」を提供すると発表した。個人利用者は次の3つの方法のいずれかにより1年間のセキュリティ更新を受け取れる。

  1. Windows Backupを利用する
  2. 報酬ポイント(Microsoft Rewards)を利用する
  3. 有料で登録する

 個人のみが対象となるが「Windows Backup」または「報酬ポイント(Microsoft Rewards)」を使うことで無償で1年間のESUを受け取れるという選択肢が提示されたことが注目点だ。これまでは個人であってもESUを受け取るには有料登録が必要とされていた。

 商用環境においては年間契約の形で更新を受け取れ、仮想環境においては追加費用なしで更新が提供される。この施策は移行の猶予期間を確保し、円滑な転換を支援する意図がある。

 Windows 365も移行手段の一つとして紹介されている。この仕組みは現行のハードウェアをそのまま活用しつつ、クラウドを通じてWindows 11の環境を提供するものだ。これにより、機器の物理的更新を伴わずに次世代OSへのアクセスが可能となる。運用コストの削減やリソースの最適化にも貢献し、業務継続性の観点からも有用な選択肢と位置付けられている。新規利用者には一定期間の割引施策が設けられている。

 Microsoftは2025年をWindows環境刷新の年と位置付け、ユーザーに選択肢と支援を提示している。Windows 11とCopilot+ PCを軸に据えた戦略は、AI時代の標準的な作業環境の構築を目指すものであり、その中でクラウドサービスや延長サポートといった措置が補完的役割を果たす形となっている。

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