Koi Securityは、ChromeやEdgeで合計230万件以上インストールされている認証済みの拡張機能18種が、実際にはユーザーを監視して情報を外部に送信する悪質なコードを含んでいたことが判明した。
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Koi Securityは2025年7月8日(現地時間)、GoogleおよびMicrosoftの公式ストアで「認証済み」とされていた拡張機能が、実際にはユーザーのブラウジング活動を監視し、外部のサーバに情報を送信していたことを明らかにした。
調査の結果、「Google Chrome」(以下、Chrome)や「Microsoft Edge」(以下、Edge)で合計230万件以上のインストール実績を持つ18種類の拡張機能が、実は悪意あるコードを含んでいたことが判明している。
調査の発端は、「Color Picker, Eyedropper ― Geco colorpick」という拡張機能とされ、初期のバージョンでは正常に動作していたが、後のバージョンアップにより不正なコードが追加されていることが確認された。このコードは利用者の閲覧中のURLを収集し、コマンド&コントロール(C2)サーバに送信する仕組みとなっていた。
この悪意のある拡張機能の調査を通じて、Koi Securityは「RedDirectionキャンペーン」と名付けた広範な不正活動を特定した。同キャンペーンでは表向きは絵文字キーボードや天気予報、動画速度コントローラー、ダークテーマ、音量ブースター、VPNなど、多様なカテゴリーのツールとして機能しつつ、裏で共通のC2インフラで監視機能を持つ拡張機能群が確認されている。
これらの拡張機能はそれぞれ異なるドメイン名を使用し、あたかも別個の運営主体が存在するように見せかけていたが、実際には同一の攻撃基盤によって管理されていた。悪意のあるコードは、背景処理で常時タブの更新を監視し、ユーザーのWebページ遷移に応じてデータを送信し、場合によってはリダイレクトを実行していた。
Koi Securityは感染の疑いがある利用者に次の対応を推奨している。
RedDirectionキャンペーンに関係するChromeの拡張機能は次の通りだ。
RedDirectionキャンペーンに関係するEdgeの拡張機能は次の通りだ。
利用者が安全を確保するために拡張機能の導入時に十分な注意を払い、定期的な見直しとセキュリティチェックすることが求められている。Koi Securityは拡張機能のアップデートによる機能変化にも警戒するよう警告している。
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