デロイト トーマツは中堅・中小企業のシステム導入に強みを持つアリーナシステムを買収した。大手コンサルティングファームが打ち出す新たなビジネスモデルとは。
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大手コンサルティングファームのデロイト トーマツは2025年9月1日、アリーナシステムの全株式を取得し、グループに統合したと発表した。
大企業を顧客の中心としてきたデロイト トーマツが、なぜ中堅・中小企業のシステム導入に強みを持つアリーナシステムを買収したのか。その背景には、これまでのビジネスモデルを刷新する狙いがある。
デロイト トーマツ T&Lの子会社、デロイトトーマツタレントプラットフォームが全株式を取得した。アリーナシステムは同日付で社名をデロイトトーマツアリーナ(以下DTA)に変更し、デロイトトーマツグループの一員として新たな体制で事業を展開することとなった。
アリーナシステムは2002年に設立され、中堅・中小企業を対象とした財務会計ソフト「奉行シリーズ」やERP「大臣エンタープライズ」の認定パートナーとして、システムの導入、運用支援を手掛けてきた。ノーコード・ローコード開発ツール「kintone」を活用した業務アプリの開発支援もし、北陸を中心に首都圏や関西、東海といった地域において、導入前の助言から稼働後の伴走支援までを提供してきた実績を持つ。
デロイトトーマツは会計、税務分野をはじめとする総合プロフェッショナルグループとして、企業の経営管理やファイナンス機能の高度化を支援してきた。クラウド型の税務業務プラットフォーム「Connected Tax Services」において、税額計算から申告書作成、税務相談、税務調査対応までを一元的に処理できる環境を提供している。こうした取り組みを通じ、企業の経理・税務領域におけるDXを推進している。
DTAがグループに加わったことにより、ERP導入支援と税務・会計サービスを組み合わせたEnd to Endの支援体制が整備されている。顧客企業は、業務システムの導入から税務申告までをシームレスに進められるようになり、業務効率の向上や管理基盤の強化につなげることが可能となる。税理士法人や監査法人を含むデロイトトーマツグループ各法人と連携することで、業務フローや戦略を根本から再設計するBPRにも対応できるようになる。
デロイトトーマツは今後、中堅・中小企業に対しERP導入とBPR支援の拡大を図りながら、税務・会計領域のデジタル化を推進する姿勢を示している。今回の動きは、業務プロセス改革とシステム導入を一体的に進められる体制を整えるものであり、顧客企業の経営基盤を支援するための取り組みを拡充している。
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