IBM、AI時代のデジタル主権基盤「IBM Sovereign Core」を提供開始ITニュースピックアップ

IBMは2026年5月5日(現地時間)、IBM Sovereign Coreの一般提供開始を発表した。企業や政府機関がAI活用環境を自律管理できる基盤で、アクセス統制や暗号化、監査、AI運用機能を統合し、継続的な規制順守や主権管理を支援する。

» 2026年05月11日 07時00分 公開

 IBMは2026年5月5日(現地時間)、米国ボストンで開催された「Think 2026」で「IBM Sovereign Core」の一般提供開始を発表した。企業や政府機関、サービス事業者がAIを活用する際の主権保護環境を構築し、継続的な統制や規制順守を維持できるよう設計されている。

デジタル主権の再定義 データ保管からAI運用の統制へ

 AI活用拡大に伴い、デジタル主権は単なるデータ保管場所の管理にとどまらず、運用権限からアクセス統制、AIモデル管理、推論処理監督までを含む概念へ拡張している。IBMは、既存基盤では運用実態と規則の間に差異が生じやすい点を課題とし、継続監査や制御検証を重視した新基盤を投入する。

 IBMのディネシュ・ニーマル氏(Software担当シニア・バイス・プレジデント)は、AIの普及に伴い、デジタル主権が実運用段階の要件へ変化したと説明した。その上で、適切な基盤整備により、主権管理は技術革新の障害ではなく成長要素になり得ると述べた。

 IBMはデジタル主権を、「運用上の主権」「データ主権」「テクノロジー主権」「AI主権」の4領域で定義する。環境運営権限や保存・転送時データ管理、ベンダー依存回避、AI実行場所管理などを柱に据える。

 IBM Sovereign Coreは、統制機能を基盤内部へ組み込み、コントロールプレーンやID管理、暗号化、コンプライアンス監視、AI実行機能を統合した。利用企業は自社管理下で構成変更や運営、ライフサイクル管理を実施できる。監査証跡や鍵情報も主権境界内へ保持する。

 主な機能には、継続監視やドリフト検知、自動証跡生成が含まれる。リアルタイム監査対応を可能にし、手動確認や単発監査への依存低減を狙う。AIモデルや推論処理も主権領域内で稼働させ、実行履歴や意思決定経路の追跡を可能にする。

 基盤には、「Red Hat OpenShift」や「Red Hat AI」を採用した。ハイブリッド環境との親和性を確保し、既存IT資産活用を促進する。AMDやDell、Intel、MongoDB、Palo Alto Networksなどの企業もエコシステムに参加する。

 CPUやGPU環境は標準テンプレート経由で構築可能で、各地域の規則に適合した形でワークロード管理を実施できる。IBMは金融や公共、通信など高規制分野におけるAI導入需要を見込む。

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