約3割のセキュリティ担当者、本番環境で「野良エージェント」に遭遇 ServiceNow調査:IT調査ピックアップ

ServiceNowの調査によると、自社のエージェンティックAIセキュリティを「確立している」と自己評価するセキュリティリーダーは多い。一方、組織が実際に整備している統制を5つの評価軸で採点すると、評価基準の最上位に分類された組織は一部にとどまった。

» 2026年10月30日 08時00分 公開
[ITmedia]

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 ServiceNow Japanは2026年10月22日、エージェンティックAIのセキュリティに関する調査レポートの日本語版「導入は進むも追いつかないガバナンス エージェンティックAIセキュリティの現在地」(英語版:「Deployed but Ungoverned: The State of Agentic Security」)を公開した。

 ServiceNowによると、過去1年間にエージェンティックAIのセキュリティインシデントを経験したと答えた組織は90%に上る。

 調査では、回答者に自社のエージェンティックAIセキュリティの態勢を自己評価してもらう一方で、アタックサーフェス(攻撃対象領域)など5つの評価軸で組織が整備している統制を採点し、各組織を4段階に分類した。

 「確立している」との自己評価は、評価基準の最上位「立証可能」にどこまで裏付けられたのか。

自己評価と実態、どのくらいかい離している?

 今回の調査によると、自社のエージェンティックAIセキュリティを「確立しており、エージェンティックAI向けに構築されている」と評価した回答者は56%に上った。一方でアタックサーフェス、セキュリティバイデザイン、可視性、アカウンタビリティ、監査対応力の5つの評価軸で測った評価基準で、最上位の「立証可能」に分類された組織は13%にとどまる。4段階の分布は「限定的」が14%、「形成途上」が46%、「前進中」が26%、「立証可能」が13%だった(数値の丸めにより合計は100%にならない)。ServiceNowは、立証可能な態勢を備えた組織は8社に1社程度だと説明している。

図1 評価基準における企業・組織の位置付け(出典:ServiceNowの調査レポート) 図1 評価基準における企業・組織の位置付け(出典:ServiceNowの調査レポート)

 ServiceNowは、AIエージェントのアクセス権の可視性についても、自己申告と実際に把握できている範囲との差を指摘している。全てのAIエージェントのアクセス権について完全で最新のマップを維持していると答えた回答者は76%だったのに対し、AIエージェントの90%超をリアルタイムで把握できると答えた回答者は19%だった。

図2 AIエージェントのアクセス権の把握状況(出典:ServiceNowの調査レポート) 図2 AIエージェントのアクセス権の把握状況(出典:ServiceNowの調査レポート)

 インシデント対応の速さについては、過去1年間にエージェンティックAIのセキュリティインシデントを経験した組織のうち、24時間未満で封じ込められたと答えた組織は36%だった。

図3 エージェンティックAIのセキュリティインシデントの経験と封じ込め(出典:ServiceNowの調査レポート) 図3 エージェンティックAIのセキュリティインシデントの経験と封じ込め(出典:ServiceNowの調査レポート)

 AIエージェントの登録状況を尋ねた設問では、デプロイの時点で技術的な統制により新しいAIエージェントを自動的に登録している組織は34%にとどまった。過去1年間に、登録も把握もされていなかったAIエージェント、いわゆる「野良エージェント」が本番環境で稼働している状況に遭遇したセキュリティチームは29%に上った。

 セキュリティ部門がAIエージェントに関与する段階を尋ねた設問に対しては、AIエージェントの開発を始める前にセキュリティ部門を関与させている組織は44%だった。ServiceNowは、開発が始まった後に関与したセキュリティ部門は、権限の設定やログの取得方法、AIエージェントが動く際の境界線を既に決まったものとして引き継ぐことになると説明している。

 レポートは調査結果を踏まえ、立証可能なセキュリティ態勢を築くためのアクションとして次の5つを挙げている。

  1. インベントリを継続的に更新し、AIエージェントのアクセス範囲をマッピングする: AIエージェントをデプロイ時に登録し、エージェントごとに到達できる範囲を記録する。ベンダーやマーケットプレース経由のAIエージェントにも同じ基準を適用する
  2. 設計の前にセキュリティを組み込む: 要件を構想の段階で決め、最初の議論の場からセキュリティ部門を加える。ポリシーをコードとして記述し、チェックを通過するまでデプロイを止める
  3. AIエージェント、ID、態勢を一元的に可視化する: AIエージェント、ID、態勢を1つのデータモデルで扱い、問われた時点で最新の答えを出せるようにする。可視性はOTやフィジカルセキュリティにまで広げる
  4. 証跡を常に手中に収める: 承認、権限の範囲、操作を、発生した時点で記録し
  5. 組織全体を担う責任者を指名する: ガバナンス全体に、専任でアカウンタビリティを負うリーダーを置く。各部門は、運用するAIエージェントへの責任を引き続き持つ

 ServiceNowは、立証可能な態勢を築いた組織はレビューの工程を増やしたのではなく、統制を、実際に作業を担うシステムの中に移すことで、ガバナンスをAIエージェントと同じ速度で運用しているとしている。

 なお同調査はServiceNowとリサーチ・アドバイザリー会社のPhronesis Partnersが共同で実施した。対象は20カ国、8業種の企業・組織に属し、セキュリティまたはAIガバナンス戦略の意思決定に関わるバイスプレジデント以上の役職者で、3766人(うち日本は200人)から回答を得た。回答者の所属組織は全て、本番環境でAIエージェントまたは自律型AIツールを稼働させている。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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