iPAQのコンセプトは“BtoE”From Netinsider(23)

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» 2001年03月27日 12時00分 公開
[Vagabond,@IT]

<vol.23の内容>

「インタビュー特集:コンパックコンピュータ株式会社
コマーシャルビジネス統括本部 インターネットプロダクト部 部長 湯浅 茂氏 (2)」

ビジネスポータル「b2bpot.com」は、1個人ではなく、1従業員が日々使うためのサイトであり、コンセプトは「BtoE(Business to Employee)」である




■■ トップインタビュー ■■
コンパックコンピュータ株式会社
コマーシャルビジネス統括本部
インターネットプロダクト部 部長
湯浅 茂 氏 (2)



ビジネスポータル「b2bpot.com」は、1個人ではなく、
1従業員が日々使うためのサイトである


 2000年9月4日、PC出荷台数世界一を誇るコンパックが新たな戦略を発表した。「iPAQ(アイパック)」と銘打たれたそのビジネスは、BtoB(企業間電子商取引)やBtoE(従業員、企業内個人向け電子商取引)市場をターゲットとし、ビジネスの生産性を向上させるインターネット・コンピューティング環境を提供するものである。

 今回は同社コマーシャルビジネス統括本部 インターネットプロダクト部 部長 湯浅茂氏に、iPAQのビジネスモデルとその展望についてお話をうかがった。2000年10月4日、天王洲の本社をお訪ねして実施したインタビューの第2回目をお届けする。

コンパックコンピュータ
http://www.compaq.co.jp/

インターネット・デバイスとビジネス・ポータルを同時期に発表することに意味がある

――iPAQインターネット・デバイスに対し、競合とお考えのものはありますか?

湯浅: 同じようなコンセプトでヒューレット・パッカードさんも発売していらっしゃいますが、既存のPCのボードをそのまま流用していらっしゃるようです。つまり表現は悪いですが「小手先で」見せている、といえるでしょう。私どもは新たに専用ボードも設計しております。そういった意味では価格帯も違いますし、競合といえるものは現状ではありません。

――位置付けとして、御社の従来の事業核である「パーソナル・コンピュータの販売」、つまりハードを売って収益を得る、というモデルは変わらないと考えてよいのでしょうか。

湯浅: そうですね。変わらないといえるでしょう。肝心なのは、そこにどのようなサービスを付加してゆくか、ということです。私どもが開設したビジネス・ポータル「b2bpot.com」は、インターネット上のオープンなサイトですが、デバイスに装備してあるボタンから、直接アクセスできるようになっています。ある意味それも、付加価値といえるでしょう。

――ビジネス・ポータル「b2bpot.com」もデバイス同様、アメリカで実施されているのですか?

湯浅: はい。アメリカで行ったシナリオを踏襲しています。と申しましても、アメリカの場合はハードの出荷に比べ、ポータルの開設が遅れました。私どもでは、両者を同時に始めることが大前提でしたので、実際のところハードの発表をサイトが立ち上がる状態まで控えましたね。

 1999年11月にアメリカで発売されたデバイスを、あえて2000年9月までひっぱった主たる理由は、「b2bpot.com」と同時でなければ、プロダクトとしての意味が希薄になる、と考えたからです。

「b2bpot.com」は、1個人ではなく、1従業員が日々使うためのサイト

――“インターネットにアクセスする”ことを最優先とするデバイスは、とりもなおさず“「b2bpot.com」にアクセスする”ことを前提としているのですね。

湯浅: そのとおりです。「b2bpot.com」のコンセプトについてお話ししますと、私どもではBtoBとBtoCの中間に位置するものとして、「BtoE」という概念を構えています。このBtoE、さまざまなメディアで各社さんがうたっているのを目にしますが、それぞれの解釈が違いますね。BtoEすなわち福利厚生である、といったような、私どもからすれば少々ピンとこないような考えもあるようです。

 私どもが考えるBtoEは「Business to Employee」、すなわち従業員、企業内個人向けの電子商取引。つまり、毎日PCを使用する一般サラリーマンが使ううえでの効果的なサービス、情報の提供です。

 同時にBtoBも、「b2bpot.com」には含まれます。企業が企業として使用できる有効なサービス。最初の理念でいうところの、“インターネットを活用することによりビジネスの生産性を向上させる”ことに直結します。

――こちらのサイトに関して、競合とお考えのところはありますか?

湯浅: ご存じのとおり、さまざまなポータルサイトがインターネット上に存在しています。しかしながら、それらをよく見てみると、得てしてコンシューマに特化していたり、ビジネス系のものです、とサービス一覧があるだけだったりと、私どもとコンセプトを同じくするようなサイトは存在していない、という見解です。

 ビジネスマンが常日ごろ見ているポータルにしても、コンサートチケット情報や芸能ニュース、果ては出会い系のサイトがトップページに目立つように置いてある。囲い込みをしたいがための措置なのでしょうが、そのようなものは会社で見るものではない、見てもらっては困る、と考えるのは会社として当然のことです。

 つまり、そのようなコンテンツは表に出てこない方がよいわけで、私どもはそういったものはトップページから一切排除しました。逆に、ビジネスマンにとっては有効だが、奥の方に入り込んでしまっているサービス、例えば出張に関する手配や準備などのサービスを前面に置いています。1個人ではなく、1従業員が日々使うためのサイト、といえるでしょう。

――グループウェアを提供するメーカーが、グループウェアそのものにポータルへアクセスできる機能を付加して、なおかつ自社でそのポータルを作り上げてしまえば、潜在的には競合になり得ますね。

湯浅: グループウェアを導入している企業さんはまだ少ないと思いますが、その可能性はありますね。しかしながらグループウェアは“ソフト”であり、私どもはそれ以前の環境である“ハード”からアクセスできることが、環境を整える順番として考えれば1つの強みになります。

 最終的には、サイト上でどのようなサービスを提供できるかが重要になってくると思います。基本的にBtoEは無償、BtoBは質の高い有償のものをそろえていく予定です。双方に向けたコンテンツやサービスがそろい、ワンストップ・サイトになればと思っています。

――「b2bpot.com」に携わっている各企業のスタンスはどのようになっていますか?

(次号へつづく)


湯浅茂氏 略歴
1982年 読売新聞社 入社 制作システム部
1991年 DEC社主催の人工知能開発プログラムに参加のため留学
1995年 アップルコンピュータ株式会社 入社 マーケティング部
2000年 コンパックコンピュータ株式会社 入社 現職に至る

(取材:Netinsider編集部 / 文:古場 俊明)


<本記事は、2000年11月22日の【NETINSIDER】(No.82)に掲載されたものです>

次回「From Netinsider Vol.24」の掲載は4月3日の予定です

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