これまでの連載で、「BPMとは何か?」について解説してきた。今回は、BPMを実際に適用する業務、しやすい業務、効果の得られる業務とは、どのようなものなのか見ていこう
「BPM(ビジネスプロセス・マネジメント)という手法そのものはイメージとして分かるが、実際にはどのような業務に取り入れられて利用されているのか?」、また「どういった業務に当てはめると効果的なのか?」というようなご質問をよく受けます。
基本的にBPMを適用できる業務は、プロセスが存在する業務なら何でも可能であるため、上記の問いに対する答えは、「事実上、ほとんどすべての業務に適用可能」というものになりますが、実際の企業においては、どういった分野の業務に適用が多いかを見てみましょう。
企業においてBPMの適用が進んでいる分野は、実際に企業がそこに“適用の価値を見いだしている業務”ということになります。
以下にいくつか事例を紹介しましょう。
これらは実際の企業の中で、ごく一般的にBPMを取り入れやすい事例だといえます。共通的な事項は、
といったことが挙げられます。
「1. プロセスを明確に管理する必要がある」はどういうことかというと、プロセスの流れを企業として明確にし、どのポジションの人間がどういった判断で処理を行っているかを明確にする必要がある処理ということです。つまり申請などが出されると、「誰が承認をしているのか」ということが分かる必要がある処理ということになります。
通常、会社の中で事務規定の書類に「手続きの流れ」などとしてプロセスの流れを書いた処理がそれに当たります。
BPMを適用することで、企業内においては「いつ」「誰が」承認したもしくは評価したというログを残していくことができるので、内部統制を取るうえでも非常に有効的に利用できます。
「2. プロセスが組織上の階層にリンクしている」は、こういったプロセスの流れはたいてい「申請した人」から「その所属の部長へ」というような組織上のポジションをキーワードにした流れをすることが多いのですが、そのような処理に適用されることが多いということです。
組織のポジションが流れを構成するということは、組織変更のたびに実質的なルーティングが変わるということです。紙でプロセスを流す場合には大きな問題はありませんが、電子データを自動的にルーティングさせるには、何らかのツールを利用する必要があります。逆説的にいえば、ツールを導入することで効果が出るプロセスだといえます。
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