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» 2005年06月15日 12時00分 公開

最先端BPM実践講座(1):プロセス指向型システム導入で情シス部長の悩み解決! (1/3)

企業のシステム部門では、2007年問題をはじめとしたさまざまな問題が発生している。ここでは、システム導入時の問題を解決するための2つの重要なポイントと、導入時に有効な7段階の主手順を紹介し、主手順実行に有効なBPMツールの利用方法などを紹介する。

[大川原文明,IDSシェアー・ジャパン株式会社]

CIO/情報システム部長の悩みの種は?

 筆者がこれまで実際に相談を受けたり、筆者自身も経験してきた「システム更改を目前にしたCIO/情報システム部長」の率直な悩みは、主に以下のような内容です。

(1)どこから手を付けてよいのか分からない

 例えば、自社のシステムをスリムにしたい(ERPパッケージを導入したいなど)が、いまのシステムに手を付けるのが怖い(ドキュメントがないし、あっても信用できないなど)

(2)もともとアウトソースしていたので、自社システムを分かるメンバーがいない、または、2007年には分かる社員がいなくなる

(3)せっかくシステム更改をするなら、効果を出さなければならない。分かってはいるが、トップから投資対効果をシビアに問われる。しかし、投資対効果を明確に説明できない

 このほかにも、まだまだたくさんあります。

 何とか苦労してERPパッケージを導入されたCIO/システム部長からは、「(SIベンダが“わ?”とやって来て、導入してくれたが)自分たちが手作りしていたときより、余計に分からなくなった。これじゃあ、横展開にまた膨大なお金が掛かる」といった悩みを相談されてしまい、後ほど紹介する手法で解決しています。

大切なことは、「ビジネス/業務プロセス指向」で考えること

 ここでは、システムを導入する際の2つの重要なポイントと、7つの主手順を紹介します。

(1)ヒューマンオペレーションも意識してプロセスを可視化する

 ヒューマンオペレーションとシステムオペレーションの両方を意識して、ビジネス/業務プロセスの鎖をつないだ可視化をしましょう。

 以前、ERPパッケージの導入を検討しているシステム部門の課長さんから、こんな質問を受けたことがあります。

「大川原さん、うちが頼んでいるコンサルタント(SIベンダ)さんから、ERPパッケージ導入後のうちの営業業務はこうなりますって、新業務フロー図っていうものを渡されたんです。実は私は以前に10年以上営業畑にいたので、営業の業務のことはよく分かるつもりなのですが、その“業務フロー図”の内容が、さっぱり分からないんです。でもそのコンサルタントさんがいうには、パッケージの適合率は80%だっていうんです。これはどういうことですか?」

 筆者は、そのシステム課長さんへこう即答しました。「それは、システムフローを示した図だからですよ。ヒューマンオペレーションが抜けてるんです」と。

 さらに、筆者からその課長さんへこう質問しました。「課長さん、あなたが営業マンだったころ、1日のうちでシステムに触るのはどれくらいでしたか?」。課長さんは「20%ぐらいかなぁ……」と答えてくれたので、筆者からは「そうですよね。コンサルタントの方に渡された新業務フローは、その20%のことを示しているのです。適合率80%というのは、その20%部分の業務のうち、80%がパッケージで処理できるといっているのです。ですから、皆さんの仕事全体で考えると、残りの84%はあらためて定義する必要があるんです」と回答しました。

 図式化すると、システム導入時に作成されがちな業務フロー(と呼ばれるもの)は、図1のようなものですが、本当に必要な定義は、図2になります。

ALT 図1 システム中心の業務フロー
ALT 図2 プロセス指向で描く真の業務フロー

 ここで、筆者が推奨する具体的な主手順を以下に示します。

主手順1

 ビジネス全体のチェーンを可視化する(=商流・物流・金の流れ)ことを明確にする(図3

ALT 図3 ビジネスチェーン可視化のモデリング例

主手順2

 業務プロセスフローに落とす(=ヒューマンオペレーションとシステムオペレーションの両方を描く)。(図4は、実際のモデリング例です。青枠で囲ったシステムオペレーションは、業務オペレーション全体の20%ほどであることが分かります)。

ALT 図4 ヒューマンオペレーションとシステムオペレーションでつながる真の業務フロー

主手順3

 ここが最重要ポイントです。「ここで(一気にシステム導入へ)焦らず、図3をよく見直してください」。見直すポイントは「本当に最適なチェーンになっているか? 無駄なトランザクションを処理していないか?」という点です。

 例えばこんな事例があります。ある企業が電話やFAXでオーダーを受け付けており、その受注システムの合理化を目指して業務フローを作成していました。その企業は、主手順3で立ち止まって見直したおかげで、1日140通のFAXオーダーの発生元を調べたら、半分が関連会社のものだったことを発見できたという実例です。

 もちろん関連会社とはオーダーシステムでつながっていますが、昔ながらの慣習でFAXの送受信をしていたそうです。もちろん、すぐ止めてもらいました。ほかにも同様な問題が多数発見され、システムを入れ替えずに、間接業務工数を半減できました。もし、システム指向で検討してしまっていたらどうでしょうか。「うちには、最新の文字認識装置(OCR)があります。FAXオーダーも手軽にシステムに取り込めます」といった提案を受け入れていたら、後で請求書を見てびっくりする状況となるでしょう。

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