第3のプロセス - マネジメントプロセスとは何か?BPTrends(7)(1/2 ページ)

ビジネスに関するプロセスといっても、バリューチェーンの主プロセスと支援プロセスだけではない。“第3のプロセス”に注意を向ける必要がある。

» 2007年07月30日 12時00分 公開
[著:ポール・ハーモン, 訳:高木克文(日本能率協会コンサルティング),@IT]

第3のプロセス

本稿は、米国BPTrends.comからアイティメディアが許諾を得て翻訳、転載したものです。

 マイケル・ポーター(Michael E. Porter)がバリューチェーンの定義を初めて提示したのは、1985年のことであった。彼は、バリューチェーンを構成するプロセスを、以下の2つの大きなグループに分類した。

  1. 企業が産出する製品やサービスに価値を付加するプロセス
  2. コアプロセスの完遂に必要な支援プロセス

 1990年代初期には、この区分がビジネスプロセス・リエンジニアリング(BPR)に携わる人たちの間で人気を得た。

 しかし同時期に、第3のプロセス──すなわちマネジメントプロセスを強調する、もう1つのアプローチが登場した。例えば、ラムラー(Geary A. Rummler)とブレーシュ(Alan P. Brache)が、あらゆるリデザインチームは、リデザインを要するプロセスとそのプロセスのマネジメントの双方に、絶えず注意を払わなければならない、という議論を展開した。

【参考書籍】

業績改善の技法--部門と部門を効果的に結ぶ3レベル分析」ゲリー・A・ラムラー、アラン・P・ブレーシュ=著/高橋りう司=訳/ダイヤモンド社/1993年

 その後少しして、カーネギーメロン大学ソフトウェアエンジニアリング研究所(SEI)が、ケイパビリティ成熟度モデル(CMM)に関連して、ある段階から次のレベルに移行するためにはマネジメントプロセスの変革が必要であることを強調した。

 続いて、同じ1990年代に、サプライチェーン・カウンシルが独自のSCORモデルを作成し、その概念をコア、イネーブリング、およびプランニングの3つのプロセスで表現した。今日では、たいていのアナリストは「コア」「サポート」「マネジメント」というプロセス区分でとらえている。

「プロセスマネジメント」のプロセスを把握する

 不幸なことに、マネジメントプロセスの構成要素について明確に理解している人は、ほとんどいない。このことから、企業でビジネスプロセス・アーキテクチャの定義に取り組む際に、ますます大きな混乱が生じつつある。

 プロセス改革プロジェクトを立ち上げると、プロセスを管理する個々人の仕事のやり方をリデザインチームが調査するのかどうかを検討しなければならない。この場合には、プロセスの区分をめぐって、さらに大きな混乱が生じることがある。

 プロセスリデザイン・プロジェクトについて考えてみよう。図1は、改善が必要とされるピザチェーン・ビジネスプロセスをシンプルに表したものだ。

図1 簡単なピザ調理・配達プロセス

簡単なピザ調理・配達プロセス

 一般に、プロセスアナリストには、従業員の業務内容の把握をプロセス調査の目的とする傾向がある。しかし、ラムラーの著書を読んだ者であれば、組織が抱える問題はアクティビティそのものだけでなく、アクティビティのマネージャや監督者に起因している可能性が大きいことを理解しているはずだ。

 図2に、極めてシンプルなプロセスマネジメントモデルを示す。

図2 プロセスマネジメントのプロセス

プロセスマネジメントのプロセス

 端的にいえば、個々のプロセスやアクティビティは、すべて誰かのマネジメント下に置かれている(マネージャを持たないプロセスやアクティビティティがあるとすれば、その企業にはここで取り上げる事柄以上に大きな問題があるはずだ)。その個人はプロセスマネージャと呼ばれているかもしれないし、そうでないかもしれない。

 恐らく、図1のプロセスでは、単に「調理スーパバイザー」あるいは「配達スーパバイザー」として、従来型機能ユニットに属する人間がいるのであろう。しかし、その程度の把握は、まだポイントを突いていない。プロセスの実行に伴い遂行すべき業務の決定を責務とする、誰かがいるはずだ。予算を作成し、業務を監視し、評価指標とアウトプットを照合し、さらには従業員の雇用、報酬設定、昇進、解雇を行う、誰かである。

 このポイントに関する理解を深めるための方法として、BPTrendアソシエイツのBPMカリキュラムでは、プロセスダイアグラムを描くことにしている。図3に見られるように、プロセス内のサブプロセスごとのマネジメントプロセスを表示するのだ(SCORでも非常に似通った方法を採用しており、アナリストにSCORダイアグラム上のコアプロセスごとに、それと連結する計画プロセスを表示することを課している)。

図3 すべてのアクティビティとプロセスは、マネジメントプロセスと関連する

すべてのアクティビティとプロセスは、マネジメントプロセスと関連する

 ここでは、これ以上の深入りはしない。マネージャの具体的なプロセスマネジメントのやり方を評価・改善するための1つのアプローチとして、CMMがある。その中で、このアプローチに関する資料のほとんどを参照できることをお伝えするにとどめたい。

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