第5回 RFPの書き方:どんな「インターネットショップ」なのか?キーワードでわかるシステム開発の流れ(2/3 ページ)

» 2007年10月18日 12時00分 公開
[高田淳志,株式会社オープントーン]

RFP(提案依頼書)を作ろう

 システム開発プロジェクトにおいて、大幅な予算超過・工期超過が発生する大きな原因の1つとして、あらゆる作業を開発ベンダに任せっきり(丸投げ状態)にしたために、プロジェクトが進むにつれユーザー側が考える理想の目標ゴールと、開発ベンダが想定した現実の達成ゴールにギャップが生じ、気付いたときには多くの作業をやり直すしかなかった……という状況の発生があります。そうしたギャップが後から発生することのないよう、ユーザー企業側からあらかじめシステム開発の方針や仕様をRFPという文書で伝えておこうというわけです。RFP(Request For Proposal)は、日本語では「提案依頼書」と表現されることが多く、システム開発の発注側が、開発ベンダ会社に対して、自分たちが「どのようなシステムを必要としているのか」を示せるような内容で作成します。いまのところ、業界標準的な記述フォーマットがあるわけではなく、各社、担当者ごとに知恵を絞りながら作成していることが多いようです。

 システムの概要、対象業務や利用者についての情報などシステムそのものに関する情報や、開発時の制約(場所、期間など)などまで、可能な範囲でより詳細に記述することで、より的確な開発ベンダ選定を行うことにもつながりますし、発注側の企業内においても、経営層から現場担当者に至るまで新システムに対する認識を正確に共有できるという側面もあります。

青木室長 「赤井君、分かったよ。それでは、そのRFPとやらをまずは当社で作ってみようじゃないか。もちろん、当社といっても、私と赤井君の2人で作ることになるわけだがな」

赤井君 「1つ仕事が増えるのですから、室長も忙しくなって大変だと思います。けれど、その結果得られる効果が大きいことはお約束します」

青木室長 「君がそこまでいうのだから、よほど大切なものであることは分かったよ。で、具体的には何を書こうか?」

 それでは、主な記述内容を確認していきましょう。

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