enterprise service bus / エンタープライズ・サービスバス
SOAに基づいたアプリケーション統合を、“バス”の概念でデザインするアーキテクチャ・パターンのこと。あるいはそれを実現するための基盤となるソフトウェア製品をいう。
ESB概念は、サービス(アプリケーションやコンポーネント)へのアクセスを行い、複数のサービスを協調・連携動作するSOAシステムを、論理的なソフトウェアバスに基づいて構成するというソフトウェア設計上の考え方である。したがって、具体的な機能や実装は個別の製品やシステムによって異なるが、一般的に標準的なSOAインターフェイスを備えたEAI製品、ないしはマルチプロトコルをサポートする高機能なメッセージバス、それを含む統合型ミドルウェアテクノロジ、ミドルウェア製品などを指す。WebサービスやJCA(J2EE connector architecture)などのオープンな標準仕様に準拠して開発されたサービスを相互連携させるインテグレーションブローカである。
中核となるメッセージ・バスは、HTTP、SOAP、JMSなど標準的プロトコルに対応、パブリッシュ&サブスクライブ、ストアフォワードメッセージ、ルーティングなどの機能を提供し、サービス同士を同期/非同期に連携させる。
完全なSOA環境においては分散処理構成とできるが、実際の製品にはレガシー接続、データ変換などの機能を併せ持つものも多く、広義のEAIとして使用できる。さらにセキュリティ、負荷分散、プロセスモデリングなどの機能を提供する製品もある。
▼『エンタープライズサービスバス??ESBとSOAによる次世代アプリケーション統合』 デビッド・A・チャペル=著/ソニックソフトウェア=監修/渡邉了介=訳/オライリー・ジャパン/2005年2月(『Enterprise Service Bus』の邦訳)
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