IT戦略は情シスが立案するものです情シス部門の地位向上(2)(2/3 ページ)

» 2008年02月12日 12時00分 公開
[營田(つくた)茂生,@IT]

CIOと情報システム部門でIT戦略を

 では、情報システム部門がIT戦略の立案を行う場合、どのように進めていけばよいのでしょうか。

 筆者がIT戦略の立案を情報システム部門で行うべきであると述べる理由は、「情シスがIT(情報・通信)のスペシャリストだから」ではありません。そうであれば、ほかの企画部門にITのスペシャリストを入れて企画・戦略立案させる方法でもよいことになります。

 なぜ、ほかの企画部門でなく情報システム部門がIT戦略を立案すべきなのか? それは、企業全体としてのITの最適化が必要だからです。企業全体としてのITの最適化を成し遂げるためには、利害の異なるそれぞれの企画部門からの持ち寄りのIT企画では達成できません。

 ほかの企画部門がそれぞれ企画対象分野を持っているように、その企業内でITを企画対象分野とするのは情報システム部門(あるいはさらに専門化されたIT企画部門)であるべきで、その部署が全社レベルの最適化を図るべきなのです。

 IT戦略を主導するには、まずは、その企業にとっての「最適化されたIT」とはどのようなものなのか、中長期的な視点を含めて図(コンセプト)を描くことです。次に、経営層に対して「理解してもらうまで」説明することが必要です。この種の提言はなかなか受け入れられないものです。しかし、「理解してもらうまで」説明を繰り返すことで、経営層だけでなく、ほかの部門にも「全社のIT最適化」の重要性が伝わりだし、徐々にIT戦略に対する主導権を得ることができると思います。

 次ページでは戦略策定の具体的な取り組みについて説明します。

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