富士ソフト、「情報系にこだわる」SaaSを10月より提供既存業務システムとのマッシュアップも

» 2008年05月12日 00時00分 公開
[高橋睦美,@IT]

 富士ソフトは5月12日、グループウェアや表計算、Web会議といった情報系サービスに特化したSaaSサービス「FSサービス」を10月より提供すると発表した。

 既に多くのSaaSが提供されているが、FSサービスは「特に情報系にこだわっている」(同社ソリューション事業本部副本部長兼SaaS部長、間下浩之氏)。機密情報など、社外に持ち出すには抵抗があるデータを取り扱う業務系システムについては、顧客の社内や富士ソフトのデータセンターでのホスティングサービスといった形で運用する一方、情報系アプリケーションを、それらとマッシュアップ可能な形でSaaSとして提供する。同社はこれを、単なるSaaSではなく、顧客の環境に最適かされた「SaaBIS(Software as a Business Innovation Service)」と表現している。

富士ソフト 副社長 堀田一芙氏

 シングルサインオンやID管理といった基本的な機能に加え、国内のサードパーティが提供しているSaaSサービスを組み合わせて提供する。グループウェアについてはデスクネッツが、Webセミナー/Web会議はブイキューブが、表計算はインフォテリア・オンラインが、またサイト管理についてはサイバーステーションがそれぞれ提供しているSaaSアプリケーションを利用する。なお、サービス開始時までに、文書管理や稟議、勤怠管理、経費精算など10種類近いアプリケーションを追加していく計画だ。

 料金は、基本料金が1ユーザー当たり年額6000円程度で、それにアプリケーションごとに付加料金が加わる形だ。例えば、1000ユーザーでWebメールとグループウェアを利用する場合、年額2100万円となる。富士ソフトでは、SaaSによる基本的な情報系サービスの部分を低く抑え、むしろ業務アプリケーションとのマッシュアップといった部分に力を注いでいきたいとしている。

 同社はまた、FSサービスの提供に先立ち、エム・ピー・テクノロジーズとの提携によるシンクライアントシステム導入やサーバ統合といった仮想化ビジネスを本格的に展開する。

 同社副社長の堀田一芙氏は「仮想化技術を用いて統合された業務系システムやサーバとの間に、SaaSによって情報系サービスを提供することにより、自社のアプリケーションとSaaSをつないだ、単一のインターフェイスによるサービスを提供していきたい」と述べている。

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