「環境規制の強化が意味すること、それは企業にとって製品開発プロセスの初期段階にコンプライアンス対応を入れ込む必要が高まっているということだ」。米オラクルの製品戦略担当シニア・ディレクターのドリス・ドーハ(Dries D'hooghe)氏は、ハイテク製品や一般消費財を製造する企業に対して、こうアドバイスする。
「RoHS」「REACH」など環境保護に関係する規制が世界各国が策定されている。欧州で作成された規制を中国などの新興国が内容をコピーして施行している例も多い。何かを製造している企業は、世界のどこで活動していても何らかの環境規制を意識せざるを得ない状況だ。
ドーハ氏は、複数の複雑な規制に企業が個別で対応するのはもう無理と指摘する。どのような製品でも市場投入までのサイクルが短くなっていて、製品開発プロセスの途中でコンプライアンスに対応させるのは非効率でコストがかかる。そのため、「コンプライアンス対応は製品開発プロセスの早い段階で検討すべき」(ドーハ氏)ということになる。
業務アプリケーションを提供するオラクルは、製品開発プロセスとコンプライアンス対応を統合するには「堅牢なシステムが必要」(ドーハ氏)と訴える。オラクルは2007年5月に買収したAgileの「Agile Product Lifecycle Management」(Agile PLM)を国内で展開している。コンプライアンス対応では特にそのコンポーネントである「Agile Product Governance & Compliance」(Agile PGC)を推進する。
Agile PGCは環境規制を考慮した製品開発を可能にするライフサイクル管理製品で、廃棄やリサイクルを配慮した設計、パッケージング設計が可能。環境規制に対応するために製品の開発ライフサイクルからデータを収集したり、安全な部品やサプライヤをリスト化して管理することができる。環境規制に対応していることを示すレポートを出力する機能もある。
グリーン対応、環境対応を強調するアプリケーションは発表ラッシュが続いている。オラクルだけでなく、アイログやSAS Institute Japanなどがグリーン関連のソリューションをリリースしている。
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