サイボウズは10月15日、中小規模企業向けグループウェアの新版「サイボウズ Office 8」を2009年春に出荷すると発表した。同時出荷するWebデータベースの新版「サイボウズ デヂエ 8」との連携機能を大幅に強化した。同社の代表取締役社長 青野慶久氏は最近訪れたインドを引き合いに「インド人もびっくりのポイントはOfficeとデヂエが一緒に出ることだ」と同時出荷を強調した。
Office 8とデヂエ 8は個別製品として動作するが、インターフェイスの統合を進めてOffice内でデヂエの機能を使えるようにする。青野氏はOfficeとデヂエの連携を強化する理由として「Officeは個別業務の進行支援が機能として欠けてきた」と指摘し、Webデータベースによるアプリケーションが機能として求められると話した。「デヂエを使えばSI会社を呼ばずにアプリケーションを開発できる。Officeと組み合わせることで新しいグループウェアの概念を作り出す」
具体的にはOfficeのインターフェイスから、デヂエに蓄積された売り上げデータを参照したり、サポート部門のデヂエに保存されているクレーム情報を全社で共有するなどの使い方が可能になる。青野氏は「Officeとデヂエを極めてシームレスに使えるようにした。両製品はマイクロソフトでいうとWordとExcelのような関係になる」と述べた。デヂエ 8はサイボウズが愛媛県松山市に3月に設立した開発拠点が初めて開発した製品。
Office 8単体では使い勝手の向上がアップグレードの中心。スケジューラの予定に色で目印を付けられる機能を追加し、スケジュール本文を開かなくてもイベントの重要性などが分かるようにした。印刷用レイアウト機能や、トップページに戻らなくても必要な機能にアクセスできるメニューバー機能も用意した。Ajaxへの対応も拡大し、画面遷移せずに電子メールのメッセージを確認できるようにした。
Office 8、デヂエ 8とも価格は未定だが、「現状と大きくは変えない予定」という。Office 8は2000社の新規導入。デヂエ 8は1500社の新規導入を目指す。現在、Officeの導入社数は2万5000社以上、デヂエは3000社。
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