先週の@IT NewsInsightのアクセスランキング第1位は次期クライアントOSについての記事「Windows 7を正式名称に決定、マイクロソフト」だった。開発コード名をそのまま名乗るWindows 7という地味な名称は、現行のWindows Vistaを否定、乗り越えるのではなく、継承するというマイクロソフトの意思が働いていると言えるだろう。
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「永遠にベータ版」なWebアプリケーションが存在感を増す中で、ソフトウェアのバージョン番号はかつてほど注目されなくなった。ソフトウェア開発者もバージョンアップという1点に向かって開発していくというスタイルから、継続的な機能向上に主眼を置くことが多くなったようだ。
その中でバージョンアップに注目が集まっているのはアップルの「iPhone 3G」だ。国内で発売された際、OSのバージョンは「2.0」。9月には2.1にバージョンアップし、2.0でユーザーの不満を集めていた日本語変換機能や3G信号強度表示の問題が改善された。現在は次バージョンといわれる「2.2」の登場に期待が集まっている(絵文字が使えるようになるとのうわさがある)。
iPhone 3Gを使っているとPCの古き良き時代を思い出す。この場合の古き良き時代とはPCでいえばWindows 95や98の時代だ。OSもアプリケーションもまだまだ不安定で、突然のフリーズやクラッシュが避けられなかった記憶がよみがえるのだ。iPhone 3GはOSが2.1になったことでかなり安定したとはいえ、Webブラウザの「Safari」が突然落ちることが頻繁にある。App Storeで配布されているアプリケーションも品質についてはさまざまだ。
不安定なことが迷惑かといえば、これが楽しかったりするから不思議だ。OSやアプリケーションのバージョンが上がるにつれて安定度が増すことが予想され、その未来を想像すると自分の娘の将来を思うようにワクワクする。成長を見守るのは楽しいことだ。
翻って見るとバージョンアップがいまひとつ歓迎されていないWindows OSは成長が止まってしまったのだろうか。それとも大人になって親離れしたのか。Windows Vistaの説明を受けた際は、ユーザーが求める方向とは異なる地点を目指しているように思え、親身になって考えることができなかった。Windows 7はユーザーにどう受け止められるのだろうか。
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