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» 2009年11月19日 00時00分 公開

chatterは初の「全社員向け」クラウドサービスセールスフォースCMOがchatterを語る

[大津心,@IT]

 米セールスフォース・ドットコムは11月18日(米国時間)に、年次プライベートイベント「Dreamforce'09」を米国サンフランシスコで開幕した。基調講演では、エンタープライズ向けコミュニケーションサービス「salesforce chatter」が発表された。今回は、同社のCMO(チーフマーケティングオフィサー)を務めるケンデル・コリンズ(Kendall Collins)氏にchatterについて聞いた。chatterについての発表内容は、こちらの記事を参照してほしい。

コリンズ氏写真 米セールスフォース・ドットコム CMO ケンデル・コリンズ氏

――chatterにはTwitterやFacebookの要素が多く含まれているが、両社と共同開発した個所などはあるのか?

コリンズ氏 当社はかなり前からTwitterやFacebookと関係が深く正式な協力関係にあるが、今回の開発に関しては共同開発はしておらず、当社の独自開発だ。

――chatterが取り込めるデータにはどのようなものがあるのか?

コリンズ氏 chatterのポイントは『企業内で使う』という点だ。従って、セキュリティが一番重要なポイントだ。セキュリティチェックをしたうえで外部データを取り込むが、情報漏えいの観点などから、例えば外部のTwitterへ情報をエクスポートすることは原則できないようにしてある。

 もちろん、salesforce.com内のデータとは連携可能だ。外部データは、セキュリティさえクリアすれば、SAPでもOracleでも基本的に何にでも対応できる。コンシューマ系であれば、TwitterやFacebookだけでなく、取り込み設定をすれば、特定の話題に関するGoogleニュースなども表示可能だ。

――「A氏にはBのアプリケーションデータを提供する」といった設定は誰が行うのか?

コリンズ氏 先ほどのセキュリティの話に関連するが、企業内データでは権限設定が重要だ。重要なデータであれば、閲覧できるユーザーは必然的に少なくなる。chatterでもその権限データを引き継ぎ、例えば経理データであれば経理関係のユーザーにしか見えないように設定されるし、特定のプロジェクトであれば、そのプロジェクトに関係する人間にしか提供しないような設定をchatterも引き継ぐ。salesforce.com内の権限データはchatterに自動的に引き継がれるほか、外部データも引き継げるものは自動的に権限も引き継ぐようになる。

――chatterに向いている業界と向いていない業界は?

コリンズ氏 これもセキュリティに関係するが、例えば金融機関はそれぞれの国でさまざまな規制がされており、さらにセキュリティ監査も厳しい。このため、情報漏えいや権限の問題から、なかなか普及させるのは難しいかもしれない。

 一方、向いている企業は投稿者が多い企業だろう。コラボレーション=イノベーションのような会社には向いているはずだ。日本でいえば、ハイテク産業や製造業がこれに当たるのではないか。

――chatterによって情報過多になる可能性は?

コリンズ氏 確かに増える可能性はある。まず、chatterを作る際に「可能な限り多くの情報を得たい」という願望と、「正しく、重要な情報だけを得たい」という、ある意味相反する2つの要望があった。

 これを実現するべく、現在の仕様となったのだが、重要な情報だけを取得する方法として、「パーソナライズ化機能」や「フィードのレーティング機能」「インテリジェントフィルタ」などを実装したいと考えている。これらを駆使すれば、そのユーザーがほしい情報だけを選別して取得することに近づくはずだ。

――chatterのみバージョンの狙いは?

コリンズ氏 現在、salesforce.comを導入していないすべてのユーザーだ。また、chatterの最大の特徴は、いままでの当社製品と異なり、『社内の全ユーザーが利用対象者』という点だ。当社の目標は「すべてのアプリケーションを、すべてのユーザーへ、クラウドサービスで提供する」であるため、大きな一歩といえる。CEOのベニオフもいっているが、追加料金なしで利用者を追加できる大規模ユーザー向け契約体系「ELA(Enterprise License Agreement)」を今後はどんどん増やしていきたい。そのための戦略的な製品だ。



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