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» 2010年04月15日 00時00分 公開

損保ジャパンで世界最大級の37万5000人が利用開始:10日間で効果が出た!? Chatterのベータテストが日本でも開始

[大津心,@IT]

 セールスフォース・ドットコムは4月15日、プライベートイベント「Cloudforce 2 Tour Tokyo」を開催。米セールスフォース・ドットコム プレジデント兼ワールドワイドセールス&サービス統括責任者 フランク・ヴァン・ヴィーネンダール(Frank van Veenendaal)氏が登壇し、同社が2009年11月に発表した企業向けコミュニケーションツール「Salesforce Chatter」のプライベートベータテストを日本で開始したと発表した。

現在注力しているのはモバイルインターネット対応

ヴィーネンダール氏写真 米セールスフォース・ドットコム プレジデント兼ワールドワイドセールス&サービス統括責任者 フランク・ヴァン・ヴィーネンダール氏

 ホテルの大会議場で行われた基調講演には700人以上が駆け付け、クラウドの中心ベンダである同社への注目度が表れていた。そんな熱気の中登壇したヴィーネンダール氏は、まずセールスフォースが中心となって普及してきているクラウドサービスが、順調に拡大していることをアピール。2010年の売上高は14億ドルを突破する見通しで、有償利用ユーザー数も7万2500社を超えたという。

 そんな同社が次の動向として注力しているのがモバイルインターネットへの対応だ。中国などを中心に、携帯電話などのモバイルデバイスが爆発的に増加しており、同社でもモバイル対応を強化。「いまでは、仕事の約半分をiPhoneなどのモバイルデバイス上で行えるようになった。この傾向は今後ますます増えていき、時間や場所を選ばずに仕事ができるようになっていくだろう」(ヴィーネンダール氏)とした。

Chatterで変わる社内コミュニケーション

 そして、現在同社が最も力を入れているアプリケーションが2009年11月に発表したエンタープライズ向けコミュニケーションツール「Salesforce Chatter」だ。

 Chatterは、社内プロジェクトのような目的別グループを作成し、そのグループに関係のある社員がTwitterのようにリアルタイムでコミュニケーションするツール。特徴は、社員同士のつぶやきだけでなく、自分が関連するアプリケーションのフィードやアラートもつぶやきのように表示される点だ。

画面イメージ Chatterの画面イメージ。Twitterのようなつぶやきと同じように、アプリケーションからのアラートや企業情報も表示される

 ヴィーネンダール氏は、「例えば、従来のように社内コミュニケーションが活発でない場合、A社へ営業へ出かけた際、A社のキーパーソンと懇意にしている者が社内にいるのを知らずに失注してしまうようなケースがよくあった。Chatterを使えば、A社と商談中にキーパーソンと仲の良い人物からアドバイスを受けながら商談することが可能になり、失注を防ぐことができる。このように、ビジネス環境がコラボレーションツールの一部になりつつある。当社もすでに2カ月間利用しているが、かなりコミュニケーションが活発になった。2カ月間で私の電子メールの量が25%削減された。当社以外にも、すでに500社がベータ版のテスト利用を開始している」と説明した。

 セールスフォースは同日、日本においてソフトバンクBBや三陽建設、ネクスウェイなど15社がChatterのプライベートベータテストを開始したと発表した。これらの企業でベータテストを実施し、2010年中には全ユーザーへ提供を開始する予定だという。

 同社が行ったデモでは、特定のプロジェクトに関係する人物がフォローをし合ってチャットで情報交換を行ったほか、プロジェクトに関係するデータやアプリケーションからは、プッシュ形式で情報が届く様子を実演。また、特定の顧客名をクリックして質問をつぶやくと、その顧客に詳しい社員からの回答を受け取ることができていた。

 続いて、日本のベータテスター代表としてネクスウェイのマーケティングソリューション推進部 上田代里子氏が登壇。ネクスウェイは、BtoB間のFAX・メール配信システムやSEMサービスなどを提供しており、2005年よりSalesforce CRMを利用。マーケティングシステムとSalesforce CRMをつなげることでマーケティングを劇的に変化させることができたとした。

 4月からはChatterの全面利用を開始。その結果、「面識がない営業マン同士がChatter上でノウハウ共有を始めた」「MVP賞を取った営業マンの表彰状をマネージャがChatter上にUPしたことで、全社的に評価されモチベーションが上がった」「営業マンが商談中に、他部署の過去営業担当者がChatter上でアドバイスした」といった効果が、導入から10日間足らずで早くも現れたという。

代理店を巻き込み、37万5000人で利用開始した損保ジャパン

 また、同日には損害保険ジャパン(損保ジャパン)が、同社社員と代理店向けに「Salesforce」と「Partner Portal」を導入し、計37万5000人で利用開始したと発表。損保ジャパン IT企画部 IT企画部長 小坂志郎氏が登壇し、その背景を説明した。

小坂氏写真 損保ジャパン IT企画部 IT企画部長 小坂志郎氏

 損保ジャパンは、自動車保険や火災保険などの各種損害保険を扱っている関係上、全国に35万の代理店を抱え、これらのサポートを行っている。そのため、2004年4月に代理店サポート用のコールセンターの20人から利用を開始。その後、コールセンターでの利用範囲を広げ、2007年9月には5000ライセンスまで拡大した。

 小坂氏は「まずは様子見ということで、20名からスモールスタートした。その後、その利便性の高さから利用範囲を広げ、5000ライセンスまで拡大した」と説明。その後、代理店システムの全面刷新の一環として、コミュニケーション型タスク管理ツール「To Doリスト、お知らせ」や、多様な顧客からのコンタクト履歴を共有する「お客さまコンタクト履歴」において、「Partner Portal」を採用。代理店35万と本社社員2万5000人を合わせ、37万5000人での利用を開始した。

 小坂氏は、「当社は、『顧客評価』『人材力』『商品・サービス』の3分野で日本一を目指している。今回のシステム導入で保険契約手続きや保険金の支払処理がスムーズになり、より代理店との連携が密になった。これにより、大きく目標に近づけたと感じている」と感想を語った。

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