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» 2010年06月23日 12時00分 公開

“成果物に分解するWBS”を習得せよWBSでプロジェクトを成功させる(4)(2/2 ページ)

[安達裕哉,トーマツイノベーション]
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欧米では「成果物分解型」を推奨

 さらに分解を続けると、下の図のようになります。 レベル1はプロジェクトの最終成果、レベル2は成果物一覧の大項目、そしてレベル3は成果物一覧の小項目、またはレベル2の成果物の目次や部品表となる形が標準的なイメージとなります。さらにレベル4は詳細な目録となり、成果物の全体を定義します。

 作業分解型のWBSが作業マニュアルのような形を取っていたのに対して、成果物分解型のWBSは部品表のようなイメージを取ることが多くなります。製造業と異なり、IT業界のプロジェクトでは、設計図面の記述方法を標準化している会社が少ないため、部品表の作成は難しいのです。従って、一般的には作業分解型より、成果物分解型のWBSの方が作成の難易度は高くなります。

ALT 成果物WBSの一例

 成果物分解型のWBSは、プロジェクトの開始時点で作成が想定される成果物を予想しておかなければなりません。そのため、日本企業では敬遠されるケースが多いのですが、米国プロジェクトマネジメント協会が発行している「WBSワークショップ」という専門書を見ると、責任範囲と作業の終了条件を定義しやすいという理由から、作業分解型WBSよりも成果物分解型WBSが推奨されています。また、海外との連携やオフショア開発が進むにつれて、WBSの表記方法も少しずつ成果物分解型にシフトしていく可能性があります。

 ここまで作業分解型WBSおよび成果物分解型WBSを解説してきました。それぞれの表記方法は一長一短であり、どちらが優れているか、一概には言えません。そこでお薦めするのは、紹介した2つの表記方法を併用し、より精度の高いWBSを作成することです。

 次回は、2つの表記方法の良いとこ取りをした、「ハイブリッド型WBS」の表記方法を紹介します。

筆者プロフィール

安達 裕哉(あだち ゆうや)

トーマツ イノベーション株式会社 シニアマネージャ

筑波大学大学院環境科学研究科修了後、大手コンサルティング会社を経てトーマツ イノベーション株式会社に入社。現在、主としてIT業界を対象にプロジェクトマネジメント、人事・教育制度構築などのコンサルティングに従事する。そのほかにもCOBIT、ITサービスマネジメント、情報セキュリティにおいても専門領域を持ち、コンサルティングをはじめとして、企業内研修・セミナー活動を積極的に行う。


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