日本アバイア、誰でも使えるUIでコミュニケーションの壁を解消指先で相手とツールを選ぶだけ

» 2010年09月17日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 日本アバイアは9月16日、企業のコミュニケーションを支援する製品群「Avaya Video Collaboration Solutions」を発表した。音声、ビデオ、電子メール、インスタントメッセージングなど、あらゆるセッションを統合管理できるSIPベースのコミュニケーションプラットフォーム「Avaya Aura」に、誰でも扱えるユーザーインターフェイス製品などを組み合わせることで、ビデオ会議システムをはじめ、各種コミュニケーションツールの使いやすさを大幅に改善、業務効率向上と迅速な意思決定を強力に支援するという。

各種コミュニケーションツールを、誰でも使いこなせるUIを開発

 新製品群「Avaya Video Collaboration Solutions」は4つの製品で構成される。1つは、ビデオ、音声、インスタントメッセージング、電子メールなどの各種コミュニケーションツールを統合し、直感的な操作で各ツールを使えるインターフェイス製品「Avaya Flare Experience」。2つ目は、「Avaya Flare Experience」を搭載したHDビデオ対応のデスクトップコラボレーション端末「Avaya Desktop Video Device」。

 3つ目は、低コストでの導入・運用と低帯域を特徴とするHDビデオ対応のビデオ会議ソリューション「Avaya Video Conferencing Solutions 1000シリーズ」、そして4つ目は、HDビデオ、電話、インスタントメッセージング、プレゼンス(在席確認)機能、複数人でコミュニケーシュンが取れるカンファレンス機能などを持つデスクトップコミュニケーションアプリケーション「Avaya one-X Communicator 6.0」だ。

写真 日本アバイア ソリューション マーケティング シニアマネージャーの能地將博氏

 中でも今回の目玉は、誰でも予備知識なしで各コミュニケーションツールを扱える分かりやすさを確保したインターフェイス「Avaya Flare Experience」と、それを搭載したデスクトップコラボレーション端末「Avaya Desktop Video Device」だ。

 日本アバイア ソリューション マーケティング シニアマネージャーの能地將博氏は、今回の発表の背景について、「従来のビデオ会議システム、各種コミュニケーションツールの使い勝手の悪さ、操作方法の分かりにくさに着目し、これを解消することを主眼に開発した」と解説した。

 例えば、ビデオ会議システムを所有している企業は多いが、「高額な設備投資をした割に使い方が分からず、十分に使われていない例が多い。使い方を知っていても、システムは会議室に設置されているため、誰もが必要なときに使えない。これがビデオ会議システムの有効活用を大きく阻んでいる」。

 電話、ビデオ、電子メールといった、各種コミュニケーションツールについても、「相手と会話するなら電話、資料を見せたい場合は電子メール、対面で話したい場合はビデオ会議といったように、連絡を取る相手や要件によって最適なツールは異なる。しかし、ツールが異なれば、使用方法も、場合によってはデバイス自体も異なり、これが各種コミュニケーションツールの効率的な活用を阻む一因となっている」という。

指先で相手を選び、ドラッグ&ドロップ、タップするだけでコンタクト

 その点、「Avaya Flare Experience」とデスクトップコラボレーション端末「Avaya Desktop Video Device」は、こうした問題を大幅に解決するという。具体的には、電話、ビデオ、電子メール、インスタントメッセージングといった各種コミュニケーションツールを1つのデバイスに統合しているほか、基本的にドラッグ&ドロップ操作だけで連絡相手を選んだり、相手がそのときに利用可能なコミュニケーションツールを選択できたりする利便性を備えている。

写真 「Avaya Flare Experience」のUI。タッチパネル式のHDビデオ対応デスクトップコラボレーション端末「Avaya Desktop Video Device」(11月30日に提供開始)がこれを搭載する。「Avaya Flare Experience」は、Windows版、タブレットPC、スマートフォンなどの環境に対応するものも2011年に提供予定

 ポイントは「Avaya Desktop Video Device」がタッチパネルを採用しており、iPadのような感覚で、あらゆる操作を指1本で行えることだ。例えば、画面左の連絡先一覧を指先でスライドすると、名刺フォルダーが回るような表現で、各連絡相手のカードが次々と表示される。相手が見つかったら、画面中央の「スポットライト」と呼ばれる位置に相手先のカードをドラッグ&ドロップし、電話、ビデオ、インスタントメッセージングなどを表すアイコンをタップするだけでコンタクトを開始できる。

写真 連絡先一覧を指先でスライドして目的の相手を探し、相手のカードを画面中央の「スポットライト」と呼ばれる位置にドラッグ&ドロップして、使いたいコミュニケーションツールのアイコンをタップするだけで、コンタクトを開始できる

 相手先のカードには、プレゼンス情報と相手がいま利用可能なコミュニケーションツールを示すアイコンが表示されるため、一度で確実にコミュニケーションが取れる。「スポットライト」に複数人をドラッグ&ドロップして会議もできるほか、各参加者がビデオ、音声、インスタントメッセージングなど、アクセスする手段を自由に選べることもポイントだ。加えて「これまでに、誰と、どのツールを使って、どんなコミュニケーションを行ったのか」詳細なコンタクト履歴をアーカイブし、必要なときに随時閲覧できる機能も備えている。

 「これにより、コンタクトしたい人、グループと、常に最適な方法で、誰でも簡単にコミュニケーションが図れる。自分や相手の状況に応じて最適なツールを使いこなせる“人ありき”のコンセプトにより、企業のコミュニケーションや意思決定を強力に支援できる」

ユニファイドコミュニケーション分野に自信

 一方、HDビデオ対応のビデオ会議ソリューション「Avaya Video Conferencing Solutions 1000シリーズ」は、小規模の会議室やワークグループ向けから、中〜大規模会議室向けの製品まで、利用規模に合わせた複数のラインナップを用意している点が特徴。

写真 「Avaya Desktop Video Device」を持つ、日本アバイア代表取締役社長 ロバート・スチーブンソン氏

 SIPベースのコミュニケーションプラットフォーム「Avaya Aura」を動作基盤とするため、Avaya Aura導入済みの場合は一般のビデオ会議システムの約3分の2、Avaya Auraを含めた導入でも一般のビデオ会議システムより導入コストを抑えられるという。こちらは2010年9月16日から提供開始する。

 同社代表取締役社長 ロバート・スチーブンソン氏は、「電話をかけるような直感的な操作性と、ニーズに応じたあらゆる規模のビデオ会議ソリューションを提供することで、ユーザー中心の“人間指向型コミュニケーション”を支援することが今回の狙い。生産性向上、意思決定の迅速化、効率化によるTCO削減など、あらゆるメリットを提供できる」と力説。昨今、企業の関心が再燃しているユニファイドコミュニケーション分野に対する同社の開発力、商品力にあらためて自信をうかがわせた。

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