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» 2011年06月03日 00時00分 公開

SAP HANAの超高速処理を生かし、リアルタイムのデータ活用を支援:SAPジャパン、SAP ERPやCRMをモバイルからも活用可能に

[内野宏信,@IT]

 SAPジャパンは6月1日、ERPやCRMなどのSAPアプリケーションに、モバイルデバイス上のアプリケーションからアクセス、リアルタイムにデータを活用するための2つの新製品を発表した。2010年12月に同社が発表した超高速分析を実現するインメモリカラム型DBアプライアンス、「SAP HANA」を利用した“リアルタイムコンピューティング”環境を、効果的に活用するための一提案であり、収益向上や意思決定の迅速化などが狙えるという。

モバイルアプリ開発環境とSAPアプリ用のゲートウェイを提供

 今回発表したのは、スマートフォンなどのモバイルデバイス向けのソフトウェア開発環境「Sybase Unwired Platform 2.0」とそのソフトウェア開発キット(SDK)と、ERPやCRMといったSAPアプリケーションを、多様なデバイス/UIから利用可能とするミドルウェア「SAP NetWeaver Gateway」の2製品。

 「Sybase Unwired Platform 2.0」は、モバイル向けのアプリケーション開発環境で、ネイティブ/Webベースのモバイルアプリケーションの導入・開発・管理を効率良く行うための製品。HTML5、JavaScript、CSSなど、業界標準のWebベースアプリケーション開発環境をサポートし、「デバイスに依存しないアプリケーション」を作成できるという。

 一方、「SAP NetWeaver Gateway」は、プログラム言語やモデルを問わず、任意のアプリケーションと、各種SAPアプリケーションとの接続性を確保するための製品。これにより、ERPやCRMなどの各種SAPアプリケーションに対し、デスクトップPCに限らず、モバイルをはじめとする多様なツール、端末からのアクセスが可能になるという。

 これらを超高速分析を実現する「SAP HANA」と組み合わせて使うことで、各種SAPアプリケーションにモバイルからアクセスし、その機能をリアルタイムに活用できる環境が整うという。

写真 リアルタイムコンピューティング推進本部長 馬場渉氏

 「近年、スマートフォンに代表されるモバイルデバイスの企業導入が進んでいる。そこで、モバイル用のアプリケーションをSybase Unwired Platform 2.0とそのSDKで開発し、SAP NetWeaver Gatewayを介して、ERPやCRMといったSAPアプリケーションにアクセス可能にすれば、ビジネスに必要な情報を、場所や時間を選ばずリアルタイムに閲覧できる。例えば、小売業の販売スタッフがiPadを使ってCRMにアクセスし、その場で顧客の購買履歴や属性情報を調べる、リコメンド製品を確認する、新しい情報を入力するといったことができる」(リアルタイムコンピューティング推進本部長 馬場渉氏)

 また、今回の発表に合わせて、小売業などの現場サービス担当者が必要とする「サービスオーダー管理/地図訪問/サービス注文の結果報告」機能などを提供するSAP CRM用モバイルアプリケーション「SAP Field Service」など、Sybase Unwired Platform 2.0で開発した複数のモバイルアプリケーションも用意した。

 これは「アップルが自社開発のiPhoneアプリを提供するとともに、SDKを提供することで、アプリケーションの見本を示しながら一般の開発者にiPhoneアプリの開発を促したように、Sybase Unwired Platform 2.0で作るアプリケーションのショーケースを提供することで、各社に、より有効なSAPアプリケーション用のモバイルアプリを作ってもらうことが狙い。今年度中に50個のアプリを提供する予定」だという。

 SAPジャパンは2010年、「2015年までにユーザー数を10億人にする」目標を発表。今回のSAPアプリケーションのモバイルでの活用提案も目標達成の一環だという。

 馬場氏は「日本では、自社の業務状況・プロセスに合わせたアプリケーションのカスタム開発市場が大きい。その点でも今回の製品群は活用しやすいのではないか。SAPアプリケーションを支えるSAP HANAによる超高速処理と、モバイルアプリケーションとの組み合わせは、ビジネスデータを収益に直結させる上で非常に有効だと思う」と話している。

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