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» 2011年12月27日 12時00分 公開

2分 − 固有名詞と普通名詞

 ところで名詞には「固有名詞」と「普通名詞」があります。「人」は普通名詞ですが、「個人名」は固有名詞です。「会社」は普通名詞ですが、「会社名」は固有名詞です。一般的には、普通名詞は「クラス」、固有名詞は「オブジェクトの候補」となります。

 これを言い換えると、「個々の具体的なもの」がオブジェクトであり、「同じ種類のオブジェクトを一般化・抽象化したもの」がクラスということになります。例えば、具体的な個人名である「Aさん」はオブジェクトであり、Aさんを一般化・抽象化した「人」はクラスです。このことをUMLでは、「オブジェクトであるAさんは、クラスである人のインスタンスである」と表現します。インスタンスとは英語で「実例」という意味であり、すなわち、「Aさんというオブジェクトはクラスの一実例だ」というわけです。

 例えば「AさんはU株式会社で働く」という文章は、UMLでは次の図3の下段のようなオブジェクト図で表すことができます。「Aさん」と「U株式会社」はオブジェクトです(オブジェクト図ではオブジェクトに下線を引くことになっています)。「働く」はオブジェクト間の関係を表すもので「リンク」と呼びます。

ALT 図3 「Aさん」と「U株式会社」はオブジェクト。「働く」はオブジェクト間の関係を表す「リンク」。なお、UMLではオブジェクト名に下線を付けて表記する点に注意

 なお、オブジェクト指向開発とは、大まかに言えば、部品を組み合わせてシステムを構築することです。部品はさらに小さな部品に分解され、その1番小さな部品が「インスタンス」となります。システム開発ではそうした部品同士の関係を正確に捉えることが不可欠ですが、オブジェクト図はその関係を確実に伝えたり理解したりするためのものなのです。

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