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» 2012年04月26日 12時00分 公開

“失敗しない”データセンター選定法(1):いまさら聞けない、データセンターの基礎知識 (2/2)

[藤原 崇,@IT]
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データセンターの価値を評価する4つの観点

 では、以上のようなデータセンターの現状や提供サービスを踏まえて、「設備仕様」「立地」「サービス仕様」「コスト」というデータセンターの価値を客観的に評価するための4つの観点を紹介しよう。

設備仕様

 データセンターの設備仕様は、「データセンター施設そのものの機能」を指す。データセンターが「コンピュータシステムの置き場所」として進化してきた過程で重視されてきた各種設備を、それぞれ客観的に評価する必要がある。

 データセンターの設備仕様は、「電気設備」「空調設備」「防災設備」「耐震設備」「通信設備」「セキュリティ設備」などに大別でき、各設備が以下のような設備機能を備える。

図1 データセンターの設備仕様の具体例 その1(筆者作成)(クリックで拡大) 図1 データセンターの設備仕様の具体例 その1(筆者作成)(クリックで拡大)
図2 データセンターの設備仕様の具体例 その2(筆者作成)(クリックで拡大) 図2 データセンターの設備仕様の具体例 その2(筆者作成)(クリックで拡大)

一般的なデータセンターの設備仕様の概念図は下記のとおりである。

図3 以上はあくまで一般的なデータセンターの概念図である(筆者作成)。設備仕様を正確に把握する場合は、検討対象とするデータセンターを実地見学することが望ましい 図3 以上はあくまで一般的なデータセンターの概念図である(筆者作成)。設備仕様を正確に把握する場合は、検討対象とするデータセンターを実地見学することが望ましい

立地

 データセンターの立地は、データセンターを評価する上で欠かせないポイントとなる。戦国時代における堅牢な城塞の多くが、地勢を生かした「天嶮(てんけん)の要害」と評されたように、データセンターを評価するに当たっても、施設「そのもの」の評価と併せて、その立地の評価が不可欠となる。データセンターの立地は、「災害リスク」「アクセス性」「自社拠点との距離」に大別でき、各項目に下記のような視点での評価が必要となる。以下にデータセンターの立地についての一例を示す。

図4 データセンターの立地についての具体例(筆者作成)(クリックで拡大) 図4 データセンターの立地についての具体例(筆者作成)(クリックで拡大)

サービス仕様

 データセンターのサービス仕様は、データセンターの「設備仕様」と「立地」というハードウェア面における構成要素に対して、データセンター事業者によるサービスというソフトウェア面における構成要素となる。前述した「データセンターのサービス利用形態」で紹介したデータセンター事業者が提供する「サービスメニュー」「Service Level Agreement (SLA)」「業者選択自由度」「提供可能時期」「委託業務提供実績」等に大別でき、各項目毎に下記のような視点での評価が必要となる。以下にデータセンターのサービス仕様についての一例を示す。

図5 データセンターのサービス仕様についての具体例(筆者作成)(クリックで拡大) 図5 データセンターのサービス仕様についての具体例(筆者作成)(クリックで拡大)

コスト

 データセンターのコストは、必要な初期費用と、「サーバ室」「運用要員居室」「テープ保管庫」「運用要員居室」などの利用費用に加えて、平米あたりのコストや電源費用など、その他に負担すべき運用費用を評価する。以下にデータセンターのコストについての一例を示す。

図6 データセンターのコストについての具体例(筆者作成)(クリックで拡大) 図6 データセンターのコストについての具体例(筆者作成)(クリックで拡大)

 次回は以上の観点に沿って、いよいよ実際にデータセンターを選定するに当たってのアプローチを詳しく紹介する。

著者紹介

▼著者名 藤原 崇(ふじわら たかし)

プライスウォーターハウスクーパース テクノロジーソリューション マネージャー。データセンター選定、ネットワークインフラの見直し、基幹系アプリケーションの仮想化への移行、移設などを担当。通信事業者向けのBCP策定支援、データセンターおよびバックアップセンターの選定なども支援


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