連載
» 2012年12月07日 12時00分 公開

情シスに贈る“社内プレゼンス向上のヒント”(1):ビッグデータがいまだに“バズワード”な理由

メリットばかりが喧伝される一方で、活用の道筋がなかなか見えてこないビッグデータ。その活用のヒントを、「情シスの社内プレゼンス向上に役立つ情報」をピックアップした「TechTargetジャパン プレミアム」のコンテンツから紹介する。

[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

@IT情報マネジメントの有用な過去記事をセレクト、再編集した「TechTargetジャパン プレミアム」

 ビッグデータという言葉が社会の注目を集める一方で、国内で実際に活用している企業はまだ一部にとどまっている。その大きなハードルの1つは「どのデータを、どのように活用すれば良いのか分からない」「データの効率的な収集・蓄積・分析方法が分からない」といった、いわばテクノロジ以前の活用ノウハウにある。では多くの企業がデータ活用に踏み出すためには、具体的にはどのような考え方を持ち、何から着手すれば良いのだろうか?――

●著=内野宏信●発行=TechTarget ジャパン●2012年11月 ●著=内野宏信
●発行=TechTarget ジャパン
●2012年11月

 企業システム導入のための参考情報を提供するアイティメディア運営のWebメディア、TechTargetジャパンでは今回、@IT情報マネジメントの記事から、情シスの社内プレゼンス向上に役立つコンテンツをピックアップ、再編集した「TechTargetジャパン プレミアム」を発刊。TechTarget ホワイトペーパーダウンロードセンターからの配信をスタートした。業界動向に応じた新規取材、書き起こしのコンテンツも含め、毎月1回、有用な情報をお届けしていく予定だ。このページではその中から、コンテンツの読みどころを抜粋して紹介していく。

 その第1弾となる『キーマンに聞くビッグデータ活用の条件』は、まさしく冒頭の課題解決に役立つ多数のヒントが含まれたコンテンツだ。確かに昨今は「ビッグデータ」という言葉を業界のバズワードとして忌み嫌う風潮も、一部にはある。だがレトリックの問題に惑わされて、ビッグデータトレンドの中に息づくデータ活用の意義や目的、有効な手段を見過ごしてしまうのも実にもったいない話ではないだろうか。ここではその読みどころを通じて、大量データの有効活用を考えるための糸口を紹介したい。


TechTarget ホワイトペーパーダウンロードセンターはこちら

『キーマンに聞く、ビッグデータ活用の条件』


“ビッグデータ”を生かせない本当の理由

 多くの企業において、ビッグデータ活用というと、「増大するデータの効率的な蓄積」を第一に考えてしまう傾向が強い。だが本当に大切なのは「ためることではなく、使うことだ」――ビジネスアナリティクス製品のトップベンダ、米SAS Instititeの上級副社長 ミカエル・ハグストローム氏は、そのインタビュー記事「“ビッグデータ”を生かせない本当の理由」において、このように指摘する。

 同氏は「データを使える状態で整備・格納することも重要だが、ほとんどの日本企業は価値を引き出すに十分過ぎるほどのデータをすでに持っている。活用することに目を向けるべきだ」と。そのための社内体制として、社内の各部門が収集・蓄積しているデータを一元管理し、ビジネスニーズに基づいてあらゆるデータソースを分析するコンビテンシーセンターの設置が重要だと訴える。


 ただ、そうした部門横断型の組織を作る上では“組織の壁”の問題と同時に、データから知見を引き出す人材をどう確保するかという課題もある。同氏はこの点について「ビジネス部門とIT部門、両方の人材で構成することが大切」と指摘。SASの導入企業であるKDDIの国内事例も併せて、データ分析・活用の要件から今後のIT部門のあるべき姿まで、データ活用基盤構築の1つの方向性を提示する。

 ここで紹介されている取り組み自体、非常に高度なものではあるが、ビッグデータ活用のTO BEモデルが提示されている点で、自社の目指すべき方向性がつかめるのではないだろうか。

ビッグデータ活用の主役はITでも分析官でもない

 一方、「ビッグデータ活用は今すぐできる」と、データ活用に向けて企業の背中を力強く押すのが「ビッグデータ活用の主役はITでも分析官でもない」に登場する米クリックテック シニアディレクター グローバルプロダクトマーケティングのエリカ・ドライバー氏だ。同社が提供するBI製品「QlikView」は、インメモリによる高速処理と高度な描画機能により、ユーザーが見たい切り口から自在にデータを可視化できる点を特徴としている。この製品により、業務部門のスタッフ自らIT部門の手を借りることなく顧客の購買行動分析を行うなど、多彩なデータ活用事例が増えているという。

 特に同氏が強調するのが、「データ活用には、必ずしも専門的なスキルは必要ない」ということと、「必ずしも社内の全データを分析対象にする必要はない」という点だ。それよりも重要なのは、「データソース同士の関連性に着目し、その中に新たな発見を探す姿勢だ」と説く。特にコンピテンシーセンターの設置や、データ整備などは大がかりなプロジェクトになるため、いきなり取り組むのは難しい。そこで、まずは社内に散在しているデータを可視化して、実際にエンドユーザー自身が見てみる、使ってみる環境、風土を作ることが分析の取り組みを始める第一歩になるのでは、と指摘している。

 特に「データを着実に生かす上では、“ビッグデータ”というより、日々増加・変動する“ムービングデータ”と捉え、それをどう集めて、どう見ていくかと考えた方が現実的」といった指摘や、業務部門のユーザーや経営層自ら分析に乗り出している事例などは、分析に手をこまねいている企業にとって心強い参考情報となるのではないだろうか。

 データ活用には、分析官のスキルや洞察力が不可欠な、社の行く末を決定するための高度な取り組みもあるが、一方で現場の意思決定に寄与する分析も求められている。そうしたビッグデータ活用の目指すべき理想像と、そこに向けた現実解を知る上で、この2本のコンテンツからあらゆるヒントがつかめるのではないだろうか。

TechTarget ホワイトペーパーダウンロードセンターはこちら

『キーマンに聞く、ビッグデータ活用の条件』



 仮想化、クラウドの浸透に伴い、今、情報システム部門には「攻めのIT活用」と同時に、「複雑化したシステム基盤の効率的な運用」という課題も突きつけられている。この2つの背反するテーマをどのように両立していけばよいのか?――「TechTargetジャパン プレミアム」では、多忙な情シス部員に向けて、他社のエンタープライズ系ニュースサイトよりも一歩突っ込んだ情報をピックアップしてコンパクトに提供していく予定だ。ぜひ日々の業務の参考にしてほしい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ