
倉庫運用の効率化やスペース活用に悩んでいませんか? フリーロケーション在庫管理は、空きスペースを有効活用しながら、柔軟な商品配置ができる新しい管理スタイル。商品ごとに固定棚を持たず、入庫時に空いている場所を活用することで、保管効率や作業負担の軽減につながります。本記事では、フリーロケーションの基本からメリット・デメリット、導入のポイントまで、倉庫現場の改善に役立つ情報をわかりやすく紹介します。
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目次
フリーロケーションとは?
フリーロケーションとは、決まった棚やスペースを設けず、倉庫内の空いている場所をその都度割り当てて商品を保管する在庫管理手法です。入庫ごとに保管場所を記録し、現場全体でその情報を共有しながら運用します。商品の種類や在庫量の変動が大きい場合にも柔軟に対応しやすく、近年多様化する物流現場で注目されています。
固定ロケーションとの違い
固定ロケーション管理は、商品ごとにあらかじめ保管場所を決めて管理する手法です。作業者が場所を覚えやすく、どこに何があるのか、どのくらい在庫があるのか、どこからどこへ移すのかといった作業フローをシンプルにできる利点があるので一般的に使われていると思います。
しかし固定ロケーション管理は、倉庫や事業の規模が大きくなるにつれて「使われないスペース」が生じやすくなります。無駄が増え、逆に効率が悪くなるシーン、ニーズの急激な変動に対応できないといった課題も増えてきます。
固定ロケーション管理:⭕場所を覚えやすい シンプルに管理できる ❌スペースや管理手段に無駄が生じやすい 保管効率が下がる 急激な需要増減や多様化へ対応できない
フリーロケーション管理:⭕保管効率が上がる 在庫の多様化や在庫量の大きな変動にも柔軟に対応できる ❌保管場所の記録・管理・共有・教育の体制(デジタル化)が不可欠
フリーロケーションと固定/ダブル方式の全体像は「倉庫ロケーション管理を利用した在庫の管理方法」をご覧ください。
フリーロケーション管理型の導入が注目される背景
商品の種類や数量が頻繁に変動する事業者が増えたことでフリーロケーション管理型を導入する例が加速しています。例えばアパレルやECなど、季節商品の入れ替えがある、需要に予測しにくい波があるといった、柔軟な対応力が求められる業界・業種が挙げられます。
併せて、クラウド型デジタル管理ツールの普及によって、在庫管理システムや倉庫管理システム(WMS)のようなデジタル管理型のシステムを導入するハードルはとても下がりました。この他、人手不足で短期間で作業に慣れてもらいたい現場やスポットワーカーの活用シーンなど、同じくデジタル化によって一般化しつつある社会的な背景もあるでしょう。
端的には、現場の平準化とシステム連携の重要性が高まっているのです。
WMSの基本や活用像は「WMS(倉庫管理システム)のおすすめツールを徹底比較」をご確認ください。
フリーロケーションによる在庫管理のメリット
続いて、フリーロケーション管理型で得られる具体的な効果をもう少し深堀りしていきましょう。メリットは以下の通りです。
- 倉庫スペースを有効活用できる
- ピッキング作業を効率化できる
- 棚割り作業の手間を削減できる
- 新人や経験が浅いスタッフも作業しやすい
- 在庫回転率や保管効率を高めやすい
倉庫スペースを有効活用できる
フリーロケーションは、倉庫内の空きスペースをその都度有効活用できる点が大きな特長です。商品が減ったスペースにもすぐ別の商品を格納できるため、無駄が発生しにくくなります。これにより、倉庫の拡張や新たな倉庫の新設といった負担を抑えることにもつながります。
ピッキング作業を効率化できる
出荷頻度や作業量の多い商品は、出入口付近にまとめて配置しやすくなります。システムで最適なピッキングルートを自動で指示できるので、商品を探す手間が減ります。作業者ごとの経験や知識に依存しない運用が可能になり、現場全体の生産性向上にもつながります。
棚割り作業の手間を削減できる
フリーロケーションでは、棚割りやレイアウト計画が不要です。商品の種類や数量が変わっても、レイアウト変更の負担が少なくなります。特に入れ替え頻度が高い商品が多い場合、棚割り作業の手間を大きく減らせるでしょう。
レイアウト・在庫配置の考え方は「倉庫の在庫管理を効率化する方法」をご覧ください。
新人や経験が浅いスタッフも作業しやすい
商品配置のルールを覚える必要がなく、システム上で明確な指示を出せるため、初めての人でも作業に取り組みやすいです。バーコードやシステムによるロケーション指示によって、経験に依存しない安定した作業が実現し、スポットワーカーへの指示も容易です。
在庫回転率や保管効率を高めやすい
ロット管理や賞味期限管理といった品質管理もシステム上で対応しやすくなります。入出庫頻度や在庫状況に合わせて、商品配置を柔軟に変更できるため、全体の保管効率を最大限引き出せます。
物流システム/在庫管理/WMSの役割の違いは「物流システム・在庫管理・WMSの違いとは?」をご確認ください。
フリーロケーション在庫管理のデメリット
メリットだけでなく、注意すべきデメリットについても確認しておきましょう。
- ピッキング効率が下がるリスクがある
- システム導入・運用コストが発生する
- 管理の煩雑化や入力ミスに注意
- 在庫の目視確認が難しくなる
ピッキング効率が下がるリスクがある
同じ商品が複数の場所に分散して保管される場合、探す手間が増え、ピッキング作業の効率が下がる可能性があります。頻繁に出し入れする商品は、まとめて配置するなどの工夫が求められます。
システム導入・運用コストが発生する
バーコードやハンディターミナル、在庫管理システム(WMS)などの導入が必須です。初期費用や月額利用料などコストが発生するため、システム選定や費用対効果の見極めが大切です。
管理の煩雑化や入力ミスに注意
場所ごとの在庫数や入出庫履歴を正確に管理しなければ、現場で混乱が起きる原因になります。情報の入力漏れやミスがあると、探す手間や誤出庫のリスクも高まるため、運用ルールの徹底が必要です。
在庫の目視確認が難しくなる
商品が倉庫内のあちこちに分散するため、目で見て在庫状況を把握しにくくなります。システムと現物在庫のズレも起きやすいため、定期的な棚卸や現物確認が欠かせません。
棚卸負荷の軽減は「棚卸に強い在庫管理システム5選」をご覧ください。
フリーロケーションが適している商品・業界
どのような商品や業界でフリーロケーションが効果を発揮するのかを整理します。
在庫数の変動が大きい商品
アパレルや季節商品、トレンド商品など、入出庫量が安定しない商品に向いています。また、化学原料や部品といった変動幅の大きい商品にも有効です。
ロット・期限管理が必要な商品
食品や医薬品のように、賞味期限や消費期限がある商品では、ロット単位の管理やトレーサビリティが重要です。システム上で管理できるため、こうした分野に適しています。
小型〜大型の多様な商品を扱う現場
雑貨や文房具、化粧品、電子部品などの小型商品から、パレットやフォークリフトで扱う大型商品まで、幅広い商品ラインナップにも対応できます。
フリーロケーション在庫管理をシステムで効率化する具体的な方法
効率的な運用に向けて実践したいポイントを解説します。
- ロケ体系・命名規則(ゾーン-通路-棚-段-位置)を定義
- ABC分析でゾーニング&動線最適化(近接・高さ)
- ラベル/バーコードとWMSマスタ整備(SKU・ロット・期限)
- 固定×フリーの併用ルール(補充基準・仮置き・承認)
- KPI運用(ロケ利用率・ピック生産性・誤出荷率)と循環棚卸
作業導線を意識して商品を配置する
出荷頻度や作業量の多い商品は出入り口近くに配置し、ピッキングや入出庫の作業動線を意識したレイアウトが重要です。定期的な配置の見直しも効率アップにつながります。
固定ロケーションとの併用も検討する
ピッキングエリアは固定、ストックエリアはフリーロケーションという「ダブルトランザクション方式」など、ハイブリッドな運用も有効です。業務内容や商品特性に合わせて最適な運用ルールを設定しましょう。
在庫管理システムの導入で効率化
バーコードやQRコードで商品と保管場所を紐づけて管理することが基本です。WMSなどのシステムを導入することで、在庫状況や保管場所をリアルタイムに把握でき、棚卸やピッキング作業の効率化にもつながります。
フリーロケーション管理を強化する在庫管理システム6選
ここでは、フリーロケーション運用に不可欠なロケーション管理・在庫トラッキング・ロット/期限管理・ハンディ/マテハン連携・ピッキング導線最適化など、現場の課題解決に実績のある6つのシステムを参考としてピックアップしました。業種・規模ごとの対応や、導入・運用サポート、拡張性といった視点も踏まえ、それぞれの特徴を解説します。(製品名 abcあいうえお順/2025年12月時点) →【並べ替える/機能の有無で探す】
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Connected Linc
倉庫のロケーション管理やロット・期限管理、複数拠点の一元運用までWMS(倉庫管理システム)の中核機能を網羅しています。特徴はスモールスタートから必要に応じて段階的な機能拡張ができる点です。自動倉庫やマテハン機器とも柔軟に連携し、在庫配置が日々変わる現場でも安定した管理が可能です。


















