
電子帳簿保存法やインボイス制度への対応が進む中で、請求書処理業務のデジタル化が企業に強く求められています。これまでの紙やExcel管理による運用では、業務負担とコストの増加、手作業によるミス、法対応の不備といったリスクが顕在化しているためです。こうした背景から、請求書処理業務の課題を解消し、請求書の作成・送付・管理を効率化する「請求書発行システム」への注目が高まっています。
しかし請求書発行システムと一口に言っても、今や小規模企業やスタートアップでも導入しやすいクラウド型製品から、国産/海外製、大規模企業向け製品まで、幅広く膨大に製品の選択肢があります。数多くの製品・システムがある中で、優れた機能や特徴で利用者から高い評価を得ているのはどの製品なのでしょうか。今回は請求書発行システムのユーザー満足度ランキング TOP10(2025年5月版)をご紹介します。
※本ランキングと製品満足度は
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機能で比較「請求書発行システム」おすすめ製品一覧
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請求書発行システムとは?
請求書発行システムとは、企業の収益に直結する「請求書の作成・送付・管理業務」をデジタル化し、効率化を図る業務支援ツールです。主な機能に、請求書テンプレートの自動生成、取引先情報の一元管理、金額・税計算の自動化、PDF形式での出力、メールによる送信、さらに電子帳簿保存法に準拠したデータ保存などが挙げられます。
これにより、従来の手作業で起こりがちな入力ミスや処理の遅延を防ぎ、法制度に対応しながら請求業務の精度とスピードを大幅に向上させることが可能となります。
この1ページで解決「請求書発行システム」の主な機能、メリット・デメリット、製品選定のポイントを分かりやすく解説

請求書発行システムの主な機能と役割
- 請求書の自動作成・テンプレート機能:定型情報を登録することで、請求書を短時間で自動生成できます。入力ミスを防ぎ、業務の効率化に貢献します。
- 電子帳簿保存法・インボイス制度対応:要件に準拠した形式で請求書を保存・発行できます。法令順守や税務調査対策として、多くの企業で導入が進んでいます。
- 請求書のPDF送信と取引先共有機能:作成した請求書をPDFで即時送信でき、郵送作業を削減できます。履歴管理や開封確認によって、取引の透明性も向上します。
- 取引先情報の一元管理:住所や支払条件などを一括管理でき、請求履歴の自動蓄積により再発行もスムーズに行えます。業務の正確性と信頼性を高めます。
- 他システムとの連携(会計・販売管理):会計システムや販売管理システムと連携し、二重入力を防止できます。データ整合性を保ちながら、経営判断にも役立ちます。
- ステータス管理・催促通知機能:請求書の状態を自動で分類でき、遅延時にはリマインド通知も行えます。入金管理の精度向上と回収漏れの防止に寄与します。
請求書発行システムの導入による【会社・管理部門】へのメリット
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コンプライアンス対応の強化
インボイス制度や電子帳簿保存法といった法制度に自動対応しており、請求業務における法令遵守体制を強化できます。制度改正にもスムーズに追随でき、税務リスクを低減します。
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業務効率化の促進
従来の紙帳票やExcelでの手作業から脱却し、業務プロセスをデジタル化。作業の標準化・自動化により、業務時間と人的リソースの削減を実現します。
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コスト削減の実現
請求書の郵送費や印刷費、処理にかかる人件費を削減。ペーパーレス化により、持続的なコスト圧縮と環境対応を同時に推進できます。
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内部統制の強化
請求データを一元管理し、発行履歴や送信状況などの可視化が可能。属人化を防ぎ、監査対応やリスク管理の精度向上にも貢献します。
請求書発行システムの導入による【従業員・担当者】へのメリット
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操作の簡便性
ノーコード感覚で誰でも直感的に操作可能な設計で、ITリテラシーが高くなくても短期間で習得できます。作業ミスも削減できます。
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作業負荷の軽減
定型業務を自動化でき、入力や送付作業の手間が大幅に削減。繁忙期でも業務負担を一定に保ち、ストレスを軽減します。
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属人化の防止
操作手順が標準化され、マニュアル不要で誰でも同じ品質の請求業務が実行可能。担当変更時の引き継ぎもスムーズに行えます。
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テレワーク・在宅対応
クラウド型システムにより、社外からでも請求書の作成・送付が可能。働き方改革の実現に向けた柔軟な業務体制を構築できます。
「請求書発行システム」製品満足度ランキング【2025年5月版】
※本ランキングと製品満足度は
のデータを利用しています。2025年5月時点
プロカン 無料トライアルあり主機能:ERP
詳細と利用者の口コミを見る操作性とサポート体制に関する評価が高く、インボイス制度対応や帳票管理機能が充実している点が特徴
grip space 無料トライアルあり主機能:MA
詳細と利用者の口コミを見る請求書発行に加えて、受注・回収管理まで対応。複数部門での利用やワークフローの一元化を想定した設計
INVOY 無料プランあり
詳細と利用者の口コミを見る無料プランを提供しており、小規模事業者や個人事業主の初期導入ニーズに対応する構成が特徴
(4) freee請求書
詳細と利用者の口コミを見る会計ソフトfreeeとの連携が前提となっており、同シリーズ導入企業の請求業務の一体運用を想定
(5) SVF Cloud 主機能:帳票システム
詳細と利用者の口コミを見る帳票設計の自由度が高く、既存システムとの統合ニーズがある企業を主な対象としているクラウド帳票サービス
(6) Paid
詳細と利用者の口コミを見る後払い決済機能などを提供し、BtoB取引における与信管理や代金回収業務との連携ニーズに対応
(7) invoiceAgent 無料トライアルあり主機能:帳票システム
詳細と利用者の口コミを見る電子帳簿保存法やインボイス制度に対応した電子配信機能を備え、法令対応を求める管理業務での利用を想定する機能に強み
(8) Progress-One 販売管理 主機能:ERP
詳細と利用者の口コミを見るERPとして販売管理機能と請求業務機能も統合されており、製造業や流通業などの業務全体を通じた効率化ニーズに対応
(9) Empower-X cx 主機能:ERP
詳細と利用者の口コミを見るユーザーインタフェースに配慮した設計で、属人化防止や業務の標準化を求める中小企業への適用範囲の広さが強み
(10) CLOUDPAPER 無料トライアルあり
詳細と利用者の口コミを見るクラウドベースで契約書と請求書を一元管理できる機能を備え、リモート業務や書類共有のニーズに対応
請求書発行システム導入のメリット
- 法令対応を自動化できる
- 請求業務のミスを削減できる
- 作業時間を大幅に短縮できる
- 経費精算業務を効率化できる
- 業務の属人化を解消できる
- 請求書の一元管理を実現する
- テレワーク環境等の業務継続を可能にする
法令対応を自動化できる
電子帳簿保存法やインボイス制度など、複雑化する法制度への対応をシステム上で自動的に行えるようになり、コンプライアンス強化につながります。
請求業務のミスを削減できる
テンプレートや自動計算機能により、手入力や転記ミスを防ぎ、正確で一貫性のある請求書を迅速に作成できる体制が整います。
作業時間を大幅に短縮できる
請求書の作成・送付・管理までの一連の業務を効率化し、手作業にかかる時間を削減することで、他業務へのリソース転換を可能にします。
業務の属人化を解消できる
標準化された操作画面や履歴機能により、誰が対応しても同品質の処理が可能となり、担当者の変更時にもスムーズな引継ぎを実現します。
請求書の一元管理を実現する
請求書の発行履歴、ステータス、送信状況などをクラウド上で一元管理でき、過去のデータ確認や再発行の迅速化にも役立ちます。
テレワーク環境下でも業務継続が可能になる
インターネット環境があればどこでもアクセスできるクラウド型の特性により、出社不要で請求書作成や送付業務を行える体制を構築できます。
成功へつなぐ請求書発行システム選定のチェックポイント
- 導入の目的と自社のビジネスプロセスを明確にする
- 拡張性、カスタマイズは可能か/どこまで可能か
- 他システム(会計・人事など)との連携がスムーズか
- 法令対応(インボイス・電子帳簿保存法など)が十分か
- 無料トライアル期間があるか
要件定義|導入の目的と自社のビジネスプロセスを明確にする
請求書発行システムは、クラウド型/SaaS型だけでも機能・目的・特徴別にかなり多くの製品が存在します。「自社が望む要件」に適した機能を持つ製品を選ぶことがまず重要です。
導入の第一歩として、自社のビジネスプロセスや従業員の状況、ニーズをあらためて見直して、どの業務に問題があるのか、どのプロセスを改善したいのかを明確にしましょう。例えば「効率を高めるため」「確実性を高めるため」「コスト削減のため」「DX推進のため」「データの一元化と活用、システム連携のため」「法令順守/リスク管理の強化のため」「モチベーション向上や働き方改革の推進のため」など、企業によって主目的、実現したい成果、優先順位は異なると思います。
なお、導入を計画者・担当者であるあなたひとりで選定・決定するのは大抵の場合、困難です。ニーズや課題は会社別、部門別、担当者別でもそれぞれ違います。さまざまな視点で、できるだけ多くの課題を拾い上げて製品を選定するために、別部署や管理部門、現場、経営層・上層部なども遠慮なく巻き込みながらプロジェクトを進めていくことをおすすめします。
こうした要素をできるだけ具体的にリストアップし、得たい成果や目標値、期日を可能な限り定め、優先順位を付けることで、自社独自の「要件」としてまとまってきます。このプロセスをできるだけ丁寧に行うことが、製品選定フローの効率と確実性、そして運用後の実成果へ大きく効いてくるポイントです。
おすすめSaaS導入前に考慮しておくべき3つのポイント

拡張性、カスタマイズは可能か/どこまで可能か
業種や企業規模によって業務フローは異なるため、自社の業務に適合できる柔軟なカスタマイズの範囲やできることを確認することも必要です。このときに最初に考えてまとめておいた「自社の要件」が有効に機能します。画面レイアウトの変更や追加フィールドなど、一見小さな調整に思えても日々の業務効率に大きく影響することがあります。
また、将来的に組織規模が拡大する可能性を見据え、スケーラビリティ面も十分に検討しておくとよいでしょう。事業が拡大すれば、請求書発行業務に求める機能も変化する可能性は大いにあります。例えば新しいグループ会社の追加や、海外子会社との連携など、想定外の要件が必要になるかもしれません。これらの要件に柔軟に対応できる製品かどうか、事前に確認しておくことで導入後のトラブルを回避できます。
他システム(会計・販売管理など)との連携がスムーズか
請求書発行システムの効果を最大限に発揮するには、既存の会計システムや販売管理システムなどとの連携性が重要です。
例えば、発行した請求書のデータを会計ソフトへ自動連携すれば、仕訳入力の手間や入力ミスを削減でき、経理業務の正確性とスピードが向上します。販売管理システムと連携すれば、売上データをもとに請求書を自動生成できるため、入力作業の二重化を防ぎ、業務全体の効率化を図れます。さらに顧客管理(CRM)や在庫管理と連携することで、取引情報の整合性も保たれ、部門間の連携強化にも寄与します。
こうした他システムとのつながりやすさは、部門を超えた業務効率化とガバナンス強化を実現する上で欠かせないポイントです。導入前には、自社が利用している主要な業務システムとの連携可否や連携方法(CSV/APIなど)を確認し、できればベンダーからの技術サポートの有無も併せてチェックすると安心です。
請求書発行システムは導入して終わりではなく、「現場で継続的に使われること」が何よりも重要です。入力項目が多すぎたり、画面構成が複雑だったりすると、せっかくの導入も定着せず、結局はExcel管理に逆戻りというケースも少なくありません。
【調査レポート】経営者の7割が失敗する「SaaS導入」 回避すべき落とし穴とは?

法令対応(インボイス・電子帳簿保存法など)が十分か
請求書処理業務においては、法令順守が求められる場面が急速に増えています。特にインボイス制度や改正電子帳簿保存法への対応は、すべての企業にとって回避できない重要課題です。
インボイス制度に非対応の請求書を発行した場合、取引先が仕入税額控除を適用できず、結果として取引停止や信頼性の低下につながる恐れがあります(※2029年9月30日までの経過措置期間中は一定の割合で控除が認められます)。
電子帳簿保存法では、請求書などの電子保存に関して、「真実性の確保」と「可視性の確保」の要件を満たす必要があります。これらの要件を満たさない場合、税務上のリスクが生じる可能性があります。
請求書発行システムの多くは、インボイス番号の自動チェック機能、電子帳簿保存法に準拠したデータ保存・タイムスタンプ付与・検索機能などを備えており、これらの法対応をシステム側でほとんどの部分を担保できる点が大きなメリットです。製品選定時には、現行制度への対応状況だけでなく、将来的な法改正にも自動的に対応可能なアップデート体制が整っているかを確認することが長期的なリスク回避と安定運用につながります。
無料トライアル期間があるか
IT製品の導入において、欲しい機能は「仕様/対応している」として載っていたけれど、実際に使ってみると操作しにくかった、機能が乏しかった、自社の業務シーンとは適合しにくかった、など理想・希望と現実が違っていたことは……実は想像以上に多くあります。
クラウド型/SaaS型製品には無料で試用できる「無料版(デモ版、無料トライアル版)」を用意する製品も意外と多く存在します。この無料トライアルを活用して実際の機能、UIや操作感を確かめると、導入後の運用イメージがグッと具体的になります。多くの場合、資料請求後に無料トライアルダウンロードの案内があります。無料版はぜひ遠慮なく活用することをおすすめします。
この無料版で、必要となるカスタマイズ性や既存システムとの連携のしやすさ、サポート体制などの情報も確認し、本当に自社の運用フローに合致したソリューションかを見極めていくとよいでしょう。
関連中小企業におすすめの経費精算システム 8選
請求書発行システムランキングのまとめと今後のトレンド
請求書発行システムにおいても、「ユーザー満足度ランキング」で上位に入る製品はそれぞれ異なる強み・特長を持っています。たとえば、インボイス制度や電子帳簿保存法など法令への対応力を強みにする製品、販売・会計システムとの連携に優れた製品、クラウド環境やモバイルデバイスからの利用に最適化されている製品など多様な強みがあります。自社の業種や規模、業務プロセスの現状、将来的な法令対応の必要性や業務拡張の見通しなどを踏まえて選定していきましょう。
今後は、「AI」技術の活用が請求書発行システムにも本格的に広がっていくと見込まれます。たとえば、過去データをもとにした請求内容の自動生成、異常値や不正の検知、顧客ごとの傾向分析といった高度な処理が実用化されつつあります。導入検討の際には、現時点の機能だけでなく、変化に対応できる柔軟性や将来性も含めて製品を比較することもおすすめします。
流行の「(ビジネス向け)AIツール」についてはこちらもぜひご覧ください。
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