
「業務で新商品PR用のイケてるWebページ/ランディングページを作りたいけれど、専門的な知識がなくて不安」「費用や手間がどれくらいかかるのか心配」「早期に必要だが、社内の他部門や外注に頼る・依頼する予算も時間もない」。こんな課題や心配、業務部門の皆さんにはかなり多いのではと思います。「ノーコードWebサイト制作」の手段を用いると、そんな業務部門の皆さんであっても対策できるかもしれません。
この記事では、ノーコードでWebサイトを作る仕組みやメリット・デメリット、ツールの選び方まで分かりやすく紹介します。
この1ページで解決!ノーコード開発・ローコード開発ツールの選び方完全ガイド
目次
ノーコードWebサイト制作とはどんな方法? コーディング知識のないユーザーも実現できる理由
ノーコードWebサイト制作とは、プログラミング、コーディングを使わなくてもWebサイトやランディングページを作る手法、あるいはそのサービスのことです。
手順は簡単。ドラッグ&ドロップ操作を軸に、あらかじめ用意されたテンプレートを選んで、好きなようにカスタマイズしつつ作成するだけです。これにより専門知識がない非エンジニア、非デザイナーでもすぐにWebサイト制作を始められます。
実際、小規模事業者やフリーランス、初めてサイトを作る方の間で広く利用が進んでおり、これまで「難しそうだからできない/やめておこう」などと感じていた方も“自ら”取り組めることが可能になります。
ノーコードWebサイトの仕組み
ノーコードWebサイト制作が広まった背景には、いくつかの便利な仕組みがあります。
テンプレートやパーツを選んで組み立てるスタイル
多くのノーコードツールは、あらかじめプロが作成したテンプレートやパーツが用意されています。自社のイメージに合ったテンプレートを選び、必要な部分だけテキストや画像を変更すれば、デザイン性の高いサイトが短時間で出来上がります。また、必要な機能をパーツとして追加するだけで、フォームやギャラリー、SNS連携などもすぐに実現できます。
ドメイン取得やサーバ管理もサービス側で対応できる
サイトの住所となるドメインや、データを保存するサーバーの管理も、サービス提供会社が代行してくれることが多いです。ユーザーは細かい技術的な作業をしなくても、登録後すぐにサイト作成に取りかかれます。
運用や更新も手軽にできる
Webサイトは公開して終わりではありません。ノーコードツールなら、テキストや画像の差し替え、ページの追加も管理画面で簡単に行えます。これにより、担当者がスピーディーに情報を発信しやすくなります。
「ノーコード(開発)」と「ローコード(開発)」との違いも確認
ノーコードと近しいIT単語に「ローコード」もあります。どちらも作業性を上げ、難易度を低く抑え、効率を高める観点は共通していますが、違いも確認しておきましょう。
ノーコード開発は“コードなしに開発できる”を意味します。「とにかく手軽に始めたい」「コードを書きたくない/コーディングの知識はない」という方に向きます。一方、ローコード開発は“少ないコードで開発できる”を意味します。ノーコードの手段を軸に、より細かいカスタマイズや複雑な仕組みを加えたいときなどに「コードを追記、修正するなどで補完する」イメージです。
| 項目 | ノーコード | ローコード |
| コーディング | 必要なし | 必要に応じて補完する |
| 想定利用者 | 非ITエンジニア(業務部門・事業部門/営業やマーケティング担当など) | IT・技術部門、デザイン部門ほか、多少のコーディング知識がある担当者 |
| カスタマイズ性 | 限定的 | 追加の機能実装も可能 |
| 操作性 | 直感的な操作中心 | ノーコードと同様だが柔軟性あり |
ノーコードツールについてより詳しく知りたい方は「ノーコードツールとは」の記事もご覧ください。
おすすめゼロから学ぶ 「ノーコードツール」とは何か? 特徴、主な機能、活用方法をわかりやすく解説
ノーコードでWebサイトを制作するメリット
コードツールを活用してWebサイトを作ると、コストや時間だけでなく、運用の手軽さや対応できる用途の広さなど、様々なメリットを実感できます。特に中小企業や個人事業主にとっては、大きなメリットが得られる選択肢です。
- 専門知識がなくても始められる
- コストを抑えてWebサイトを作れる
- 制作期間を短縮できる
- 運用・保守が容易
- 用途に合わせて多様なサイトが作れる
専門知識がなくても始められる
ノーコードツールを使う最大の利点の1つは、サイト制作・デザインの専門ではない「一般業務部門の担当者も扱える」を意識して設計されていることです。
HTMLやCSSといった専門的な知識がなくても、テンプレートを用いて直感的にサイト制作を進められます。WordやExcel、PowerPointなどで、ある程度のデザイン性/読み手を意識した資料類を作成できる程度の知識があるならば、操作方法もすぐに慣れるほどでしょう。
コストを抑えてWebサイトを作れる
内製化できることで、開発コストを大幅に抑えられることも大きな利点です。
従来は参考までに「専門家に外注することで数十万円以上」といった費用が発生していたかもしれません。しかしノーコードならば内製化が可能、かつ月数百~数千円代で導入できるツールが多いです。なお、多くのクラウド/SaaS型サービスでは無料プラン/無料トライアル版もあります。
制作期間を短縮できる
ノーコードWebサイトは短期間で作り、公開できる「スピード感」も強みです。その気になれば最短1~2日で、かつ複数ページのサイトをスピード公開したいといったニーズにも応えます。運用後も、変更や追加があればすぐに反映でき、スピード感のある情報発信体制を実現できます。
運用・保守が容易
サイト運用において別途知識を要するのがサーバ管理やセキュリティ対策です。ノーコードツールの多くは、サーバの保守やセキュリティ更新もサービス側が対応してくれる/サービスに含まれています。日々の更新もブラウザ上で完結するため、外部の業者に依頼する必要がありません。
また自社ドメインのサイト内で公開するにしても、いわば「完パケ」の形でIT部門などに納品・依頼できれば、依頼の難易度、「スピード感が落ちるリスク」なども低く抑えられます。
用途に合わせて多様なサイトが作れる
ノーコードツールは、企業サイトや商品ページをはじめ、ネットショップ、個人のポートフォリオなど、さまざまな用途に対応しています。ニーズに沿ってテンプレートが数百種類以上あるサービスもあることから、自社の目的に合うデザインテンプレートもきっと見つかることでしょう。
ノーコードWebサイト制作のデメリット
便利なノーコードツールにも注意しておくべきことはいくつかあります。導入前に下記のポイントもかくにんしておきましょう。
- カスタマイズの自由度には限界がある
- ツール乗り換えがしにくい可能性がある
- 長期運用でランニングコストが高くなることもある
- SEOや高度な集客施策には工夫が必要
- サービス終了リスクやサポート品質も確認が必要
カスタマイズの自由度に限界がある
ノーコードツールは、用意されたテンプレートやパーツを組み合わせる方式のため、完全なオリジナルデザインや複雑な機能追加は難しい場合があります。既存の範囲を超えるカスタマイズを希望する場合は、従来のフルオーダー制作が必要です。
ツールの乗り換えがしづらい
ノーコード型Web制作ツールは独自の仕様やデータ構造でサイトを構築することもあるため、他ツールへの移行が難しい場合があります。
例えば、HTMLやCSSなどの汎用コードで書かれていない/エクスポート機能も限定的といったツールでは、デザインや機能をそのまま再現できないことが多いのです。その結果、乗り換え時には一から作り直す必要があり、コストや手間が予想外に増える可能性があります。
長期運用でランニングコストが高くなることもある
ノーコードツールの有料プラン参考価格は月額1000〜5000円程度が主流です。
「初期費用は0円から」など安価に抑えられる反面、長く運用していく/長く使うにつれてランニングコストは積み重なっていきます。また、ページ数や保存容量、独自ドメインの利用、ECや予約機能などを追加する場合、上位プランやオプション料金が発生することがあります。
代表的なツールのコスト比較を下の表でまとめました。
| サービス名 | 月額料金(有料プラン目安) | 無料プラン | 独自ドメイン | ページ数・容量 | 備考 |
| Wix | 1300円〜 | あり | 有料プランで設定可〜 | 容量制限あり | 広告非表示には有料プラン |
| STUDIO | 590円〜(年払い換算)(税込み) | あり | 有料プランで設定可 | 容量制限あり | 日本発・デザイン重視 |
| ペライチ | 1465円〜(年払い換算)(税込み) | あり | 有料プランで設定可 | ページ追加有料 | 1ページは無料 |
| Jimdo | 990円〜(税込み) | あり | 有料プランで設定可 | 容量制限あり | ECは商品数で料金変動 |
| WordPress | 500円〜(別途サーバ代等)(税別) | なし | 有料プランで設定可 | サーバー依存 | 拡張性・自由度が高い |
このようにどのツールも初期費用は抑えられますが、運用年数や機能追加によるコスト増加には注意が必要です。
SEOや高度な集客施策には工夫が必要
昨今、どのツールも基本的なSEO(検索エンジン対策)機能は搭載されています。しかし、より高度な施策やページ表示速度の調整など、細かい集客強化は制限されることがあります。
本格的なSEOを重視するならば、プラグイン対応度や専門的なサービスとの連携も検討することが求められます。
サービス終了リスクやサポート品質も確認が必要
サービスを長く使う場合、運営会社の安定性やサポート体制も重要です。また、「サービスが終了する」ことでサイトの維持が難しくなる可能性があります。
代表的なノーコードWebサイト作成ツールを比較
ノーコードツールにもさまざまな製品/サービス/種類があります。ここでは参考として、日本国内でも人気の高い代表的なサービスを特徴ごとに比較します。
Wix:デザイン重視派に人気のオールインワン
公式サイト:https://www.wix.com/
Wixは直感的なドラッグ&ドロップでページを編集できる点が人気です。800種類以上のテンプレートが用意されており、豊富なデザインから選ぶことができます。無料プランもありますが、広告の非表示や独自ドメインを使いたい場合は有料プランへのアップグレードが必要です。
STUDIO:おしゃれなサイトにこだわるなら
公式サイト:https://studio.design/ja
STUDIOは日本発のノーコードツールで、デザインの美しさと操作のしやすさが魅力です。コーポレートサイトやブランドサイトで多く採用されており、広告が目立たない無料プランから始められます。より多機能なサイトにしたい場合は有料プランを選択しましょう。
ペライチ:LPや小規模サイト向き
公式サイト:https://peraichi.com/
ペライチは、1枚構成のランディングページやキャンペーンページを素早く作りたい方に向いています。操作がとてもシンプルで、初めてサイトを作る方にもおすすめです。無料プランでも1ページのサイトを公開できますが、機能を増やしたい場合や複数ページにしたい場合は有料プランへの切り替えが必要になります。
Jimdo:ネットショップもスタートしやすい
公式サイト:https://www.jimdo.com/jp/
JimdoはAIビルダー機能で、質問に答えていくだけでサイトの土台を作れる手軽さが特徴です。ネットショップやブログ機能も標準装備されています。無料プランでも商品登録や簡単なページ公開ができ、より本格的に運用したい場合は有料プランが用意されています。
WordPress:拡張性と集客力を両立できるノーコード対応
公式サイト:https://wordpress.com/ja/
オープンソースのCMS(コンテンツ管理システム)として著名なツールで、プラグインやテーマを利用することでノーコードに近い感覚でページを作成できます。別途ホスティングするサーバ契約やドメイン取得が必要ですが、自由度や拡張性が高いため本格的なサイト運営を考えている方におすすめです。
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ノーコードWebサイトを選ぶ際に失敗しないポイント
たくさんのノーコードツールがある中で、どれを選ぶべきか迷うこともあると思います。ここでは、選ぶときに特に重視したいポイントをご紹介します。
- サイトの目的に合った機能やテンプレートがあるか確認する
- 日本語サポートやヘルプが充実しているか
- 無料プランや体験期間を活用して操作性を確かめる
- 費用とランニングコストを比較しておく
- 拡張性・セキュリティ・サービスの安定性にも注目
サイトの目的に合った機能やテンプレートがあるか確認する
作りたいサイトの目的によって、最適なツールは変わります。企業サイト、ランディングページ、ネットショップなど、用途に合った機能やテンプレートがあるかどうか確認しましょう。
日本語サポートやヘルプが充実しているか
特に初めて利用する方は、日本語でのサポートや解説があるかどうかも大事なポイントです。分からないことがあってもすぐに相談できる環境があると、安心して利用できます。
無料プランや体験期間を活用して操作性を確かめる
気になるツールは、まず無料プランや体験期間で実際に触ってみましょう。自分が使いやすいと感じるかどうか、実際に操作してみることで判断できます。
費用とランニングコストを比較しておく
初期費用だけでなく、運用を続けた場合のランニングコストや、機能追加にかかる料金も比較しておきましょう。将来的なサイト拡張や事業の成長も視野に入れてプランを選ぶと、無理なく運用できます。
拡張性・セキュリティ・サービスの安定性にも注目
長く使いたい場合は、運営会社の実績やサービスの安定性、セキュリティ対策なども確認しておくことをおすすめします。
ノーコードWebサイト運用時の注意点も押さえておこう
Webサイトは公開してからが本当のスタートです。運用面でも下記の点を意識しましょう。
- 独自ドメイン・SSL対応の有無を確認
- データのバックアップや移行手段も考えておく
- SEOやアクセス解析の設定・強化も忘れずに
独自ドメイン・SSL対応の有無を確認
ビジネスサイトで信頼性を高めたい場合は、独自ドメイン(自社専用アドレス)とSSL(通信暗号化)の対応が必須です。SSL化されていないサイトは、ユーザーに警告表示が出ることもあるため、セキュリティ対策にも配慮しましょう。
データのバックアップや移行手段も考えておく
サービスの仕様変更や終了時に備えて、定期的なデータのバックアップや、サイトの移行がしやすいかも確認しておくと安心です。特に長期間運用する場合は、「データの所有権」が自社にあるかも確認しましょう。
SEOやアクセス解析の設定・強化も忘れずに
サイトの成果を最大化するには、SEO(検索エンジン最適化)の基本設定や、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールの導入も大切です。ノーコードツールの標準機能だけでは足りない場合は、プラグインや外部サービスと連携できるかも調べておくと良いでしょう。
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ノーコードのWebサイト作成ツールでWebサイト運営を始めよう
ノーコードWebサイト制作は、知識や費用のハードルを下げ、どなたでも挑戦しやすい方法として広まっています。
一方で、カスタマイズや長期運用のコスト、サービス選びの難しさなどもあるため、メリット・デメリットを正しく理解し、ご自身の目的や予算、運用体制に合わせて最適なツールを選ぶことが大切です。まずは無料トライアルで試してみたり、小規模なキャンペーンサイトから始めたりするのも良いでしょう。自社に合ったノーコードツールを活用し、業務部門ならではの「スピード感」のある効果を目指していきましょう。
もし「自社に合うIT製品・サービスが分からない」「どう探せばよいのか分からない」とお困りでしたら、あるいは「おすすめ製品・ベンダーを紹介してほしい」「詳しい人に相談したい」のような希望がありましたら、適切なIT製品・サービス選定に詳しいIT専門スタッフに聞ける・相談できるITセレクトのコンシェルジュ相談サービスを用意しています。ぜひご利用ください。(無料です!)
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