
受発注業務が複雑化する中、メールやFAX、Excelなど複数の管理方法が混在し、確認や転記に追われていませんか。二重受注や入力ミス、請求漏れといった小さなミスが、取引先からの信頼低下や失注のような大きな問題につながってしまいます。
こうした課題を感じつつも、「どこに問題があるのか整理できていない」「システムを入れても使いこなせるか不安」と、改善に踏み出せずにいる中小企業も多いのではないでしょうか。本記事では、受発注業務のよくある悩みを整理し、自社に合った管理方法を考えるためのポイントを分かりやすく解説します。
【この記事で分かること】
- 受発注DXを実現する主な方法と費用相場
- データ化の運用前に整理すべきポイント
- 具体的なデータ化手順と失敗しないための注意点
- よくある疑問への回答と実務上のアドバイス
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目次
受注管理システムで解決できる悩み
受注業務は、電話やFAX、メール、Webフォームなど複数の手段を複雑に用いるシーンが多いこと、そしてそれらを手作業で回すことも多いことから、ミスや手間が発生しやすい行程です。
特に注文経路が多い場合や、手作業による転記作業、担当者による情報の属人化が原因で、出荷の遅れや入力ミスによるトラブルへつながることも少なくありません。
また、在庫や納期の確認、営業と現場のやりとりに時間を取られるなど、現場の調整も煩雑になりがちです。売上や請求、入金の確認も手作業だと時間がかかり、担当者が不在の際に情報が引き継がれないリスクもあります。
こうした悩みは、受注管理システムの導入によって大きく改善できます。
販売管理や在庫管理、発注管理といった他の業務とも連携しやすくなり、経理や倉庫、営業など社内のさまざまな部署と情報をリアルタイムで共有できる点が大きなメリットです。
在庫や物流面の課題感は「物流システム・在庫管理・WMSの違いとは? 物流DXを推進する基礎知識」をご覧ください。
参考:先物流システム・在庫管理・WMSの違いとは? 物流DXを推進する基礎知識
受注管理システムとは
- 注文情報の入力から出荷/請求までをまとめて管理
- 受注・在庫・販売管理など周辺業務と連携しやすい
- 部署間でリアルタイム共有でき、ミス削減と効率化に直結
受注管理システムは、データを軸に、注文情報の入力から出荷や請求まで一連の流れをまとめて管理するための仕組みを備えたIT製品・ソフトウェアです。これまでバラバラに管理していた受注や発注の業務をシステム上で統一できるため、作業が簡素化され、効率よく業務が進められるようになります。
また、販売管理や在庫管理、発注管理といった他の業務とも連携しやすくなり、経理や倉庫、営業など社内のさまざまな部署と情報をリアルタイムで共有できる点もメリットです。業種や業態によって必要な機能は異なりますが、どの現場でもミス削減や作業効率化に役立ちます。
受注管理・受発注・販売管理・在庫管理の違い
注文の受付から納品・請求までを管理するのが受注管理です。一方、受発注は注文を受ける側と出す側、両方の管理を指します。販売管理では売上や請求、入金といった業務までカバーし、在庫管理は商品や資材の数量や保管場所の管理が中心となります。それぞれの範囲は重なり合う部分もあり、システムによっては複数の業務を連携して管理できます。
連携の全体像は「販売管理システム移行ガイド|失敗しない計画・手順と製品選び」も参考になります。
参考:販売管理システム移行ガイド|失敗しない計画・手順と製品選び
OMSと呼ばれることもある
受注管理システムは「OMS(Order Management System)」とも呼ばれ、特にECや通販の業界で使われることが多い言葉です。OMSは受注から出荷、在庫の引き当てまでを一括して管理する役割を担っています。国内では「受注管理システム」や「受発注システム」と呼ぶこともあり、ベンダーや製品ごとに範囲や名称が少しずつ異なる場合があります。
受注管理システムの基本と費用感は「受注管理システムとは? 費用相場と主な種類、導入のメリット」をご覧ください。
参考:受注管理システムとは? 費用相場と主な種類、導入のメリット
受注管理システムの種類
受注管理システムには、法人同士の取引向け(BtoB)や、ECモールや自社サイトを管理するBtoC向け、クラウド型や自社サーバー運用のオンプレ型などがあります。企業の規模や扱う商品、取引先の数や商習慣によって、適したタイプが変わってきます。
BtoB向け法人取引を効率よく進めたい企業に向いているのがBtoB向けシステムです。取引先ごとに価格や掛け率を細かく設定できたり、見積書や請求書を自動で発行できる機能、与信管理なども備わっています。発注側・受注側どちらも使いやすいWeb受発注システムが多い点が特徴です。
BtoC向け(EC一元管理)
ECサイトや複数のオンラインショップを運営している場合には、BtoC向けシステムが便利です。注文情報や在庫状況をリアルタイムで反映し、出荷や物流業者との連携もスムーズに行えます。店舗ごとの納品書や帳票も自動で発行できるため、管理が大幅にラクになります。
クラウド型とオンプレ型
クラウド型はインターネットに接続できればどこでも利用でき、初期費用が抑えやすい点が魅力です。一方、オンプレ型は自社でサーバ運用するため、セキュリティ対策やシステムのカスタマイズ性が求められる場合に向いています。
昨今は多くの場合、「クラウド型」が勧められます。しかし、自社の運用体制やITリソース、セキュリティ要件によって選ぶことが大切です。リソース、セキュリティ要件によって選ぶことが大切です。
EC一元管理の観点は「OMSとは? 活用シーンとWMS/EMSとの違い」をご覧ください。
受注管理システムの主な機能
受注管理システムには、日々の注文処理や在庫調整を円滑に進めるための多彩な機能が用意されています。これらの機能を活用することで、担当者の負担が減り、業務のスピードや正確性が向上します。ここでは、基本的な機能から便利な拡張機能、そしてセキュリティや運用面で見落としやすいポイントまで、それぞれ詳しく紹介します。
必須になりやすい機能
まず、受注内容の登録や修正がスムーズにできることは、どの業態でも欠かせません。注文を受けた後、その進捗を「受付」「出荷待ち」「納品」「完了」など段階ごとに管理できる進捗管理も大きな特徴です。在庫数も注文と同時に自動で引き当てが行われ、今どれだけ在庫が残っているのかを即座に把握できます。
また、出荷指示や伝票の発行もシステム上で完結できるため、手作業の負担が大幅に減ります。請求書や納品書といった帳票類もワンクリックで作成でき、顧客や取引先の情報も一元管理できます。さらに、商品マスタを使って品番や仕様などのデータも整理しやすくなります。
あると便利な機能
- 取引先別の価格/掛け率の自動反映
- 承認フロー/アラートでミス・遅延を抑止
- 会計/在庫/ECモール連携(API/CSV取込)
- レポート自動化、受注履歴の検索/DL
- EDI/OCRで注文書(紙・FAX)をデータ化
取引先ごとの特別な価格設定や掛け率を自動的に反映できる機能があれば、個別対応が多い業態にも柔軟に対応できます。承認フローやアラートが備わっていれば、ミスや遅延の防止につながります。
また、外部システムとの連携も重要です。会計ソフトや在庫管理システム、ECモールとのAPI連携やCSV取込ができれば、より一貫した運用が実現します。売上や受注のデータを自動でレポート化し、受注履歴を検索・ダウンロードできる機能も管理の手間を減らしてくれます。EDIやOCRといった仕組みを活用することで、紙の注文書やFAXを自動でデータ化できる点も業務効率化に役立ちます。
紙帳票の自動データ化は「文字認識AI(AI OCR)で業務効率化! 機能、メリット、選び方」をご確認ください。
参考:文字認識AI(AI OCR)で業務効率化! 機能、メリット、選び方
セキュリティ・運用で見落としやすい項目
- ユーザー権限を細かく設定できるか
- 操作履歴/監査ログの取得ができるか
- バックアップ体制と復旧手順が明確か
- 障害時サポート(対応範囲・連絡手段)を事前確認
さらに、必要な機能を追加するほどオプション費が増えるケースも多いため、料金表の「月額」だけで判断せず、利用人数・取引規模・必要な連携/カスタマイズの有無を踏まえて総額で見積もることが大切です。また、定期的なデータのバックアップ体制が整っていれば、万が一の障害やデータ消失時にも素早く復旧でき安心です。運用面では、システム障害時のサポート体制や復旧手順なども、事前に確認しておくとより安全に使えます。
受注管理システムの費用相場
システム導入の際に気になるのが費用です。受注管理(受発注)システムの料金は、初期費用(設定・導入支援など)に加えて、月額(または年額)料金、従量課金(取引件数・伝票数など)、ユーザー数課金、オプション費用(外部連携・追加機能・サポートなど)といった複数の項目で構成されるのが一般的です。
一例として、初期費用0円で月額3000円/人(使う人数分だけ)のような料金形態にシンプルに始められるものもあれば、受注件数(取引件数)が増えるほど料金が上がる従量課金型、あるいは受注件数に左右されず月額が一定の定額型など、料金体系は幅広く存在します。
製品に機能が満載・充実しているとしても、自社の業務フローに合っていないならば従業員に「使いにくい」と評価されてしまいます。せっかく導入したのに使われない事態は何としても避けたいところです。
受発注システムの相場感としては、クラウド型(SaaS)の場合、初期費0〜数万円、月額1万円〜数万円程度より想定できる製品が多いです。一方、個別構築・多カスタマイズ導入型では初期費用がややかさみ数十~百万円規模となる例もあります。事業の成長に伴い「どの費用が増える設計か(ユーザー数/取引件数/機能追加)」を確認し、将来コストまで含めて比較しましょう。
※本稿の費用相場は、Aladdin EC/ASTONE/BtoBプラットフォーム 受発注/Bカート/Cloud BizApps 受発注管理/CO-NECT/アイカタ/注文販売[M2O]/テープス/(旧)楽楽B2B(現:スマレジEC・B2B)について、各サービスの公式サイトおよび製品紹介ページ等の公開情報(料金ページ、料金プラン、導入費用・月額費用・保守費・サーバ費・ユーザー課金・オプション等)を調査し、公開金額を整理して算出しました。
費用感の整理については「受注管理システムとは? 費用相場と主な種類、導入のメリット」も併せてご覧ください。
参考:受注管理システムとは? 費用相場と主な種類、導入のメリット
受注管理システムの選定ポイント
適切な受注管理システムを選定するにはいくつかの重要なポイントがあります。システムの選定が業務効率やコスト削減に直結するため、事前に重要な要素を把握しておく必要があります。
受注管理システムを選ぶ際はには下記の3つのポイントに着目し、検討していくとよいでしょう。
- 自社に適する機能を的確に備えているか。機能に柔軟性、拡張性はあるか
- 自社の求めるセキュリティ性/機能は備えているか
- 自社の業務に合った操作性を備えているか
(1)自社に適する機能を的確に備えているか。機能に柔軟性、拡張性はあるか
受注管理システムの選定は、「自社の要件」に沿って機能と、その拡張性や柔軟性をチェックする作業が初期段階になります。
自社の要件とは、自社の業態、ワークフローを棚卸しし、場合によっては業界独自ルールなどをも含めて、どんな課題があるのか、それをどう解決したいか、どんな成果を得るのかといった項目をまとめた、製品選定に必要となる情報のことです。
例えば「社内ですでにあるシステムやツールと連携できるか」「機能の追加やカスタマイズは可能か」などがチェック項目に挙がります。データ連携においては、CSVファイルなどで連携するほかに、API(Application Programming Interface)を用意あるいは対応し、他社システムとのデータ連携をウリにする製品も多くあります。
受注を受け付ける窓口(販売経路や顧客との接点)に柔軟性があるか否かもチェックポイントとなります。具体的には「マルチチャネル機能」をチェックするのがおすすめです。受発注システムにおけるマルチチャネルとは「複数の異なる窓口からの受注や発注に対応できる」機能のことです。マルチチャネル機能が充実していれば、店頭、電話やFAX、Web、メール、SNSなど幅広い窓口からの受注に対応できます。柔軟な受注体制を構築することで新たな機会の獲得も期待できるでしょう。
(2)セキュリティ性が的確に考慮されているシステムか
受注管理システムでは受注情報とともに、企業として特に重要な情報である「顧客情報」も管理します。クラウド型製品は「製品ベンダー側が一定以上のセキュリティ対策と機能を提供」するので、“ある程度はお任せ”できます。しかし自社の情報である以上、自社は何もしないでよいという考え方では済まされません。従業員に情報セキュリティ教育を施してリテラシーを高める基礎から、自社の要件とともに製品へどんなセキュリティ機能や対策が施されているか、足りない要素はないかどうかなどをチェックすることが必要です。
(3)自社の業務に合った操作性を備えているか
受発注システムの導入により、業務フローが大きく変わるかもしれません。製品に機能が充実しているとしても、自社の業務フローに合っていないならば従業員に「使いにくい」と評価されてしまいます。せっかく導入したのに使われない事態は何としても避けたいところです。
なおクラウド型のITシステムの導入は一度導入したら基本は長期間にわたって使用することになるので、計画的な導入と運用もやはり長期的な効率向上やコスト削減につながります。製品には「無料」で始められる柔軟性もあります。製品の中には、月額無料で使えてしまう「無料プラン」、あるいは一定期間無料で試用できる「無料トライアル」が用意されています。
月額無料プランは「利用できるユーザー数や機能を絞る」ことで無料で利用できるプランです。主に個人事業主から小規模企業向けに提供されますが、限られた人数でスモールスタートし「使い勝手を確かめてからプランを決めたい」シーンにも便利に利用できます。
無料トライアルも「使い勝手や機能確かめてから決めたい」人向けです。平均すると30日前後、「試用」として無料で使えます。
「使い勝手」は自社独自のフローも含めた主観要素も多く含まれると思います。「無料版」もぜひ遠慮なく活用し、選定を進めていきましょう。
製造・小売り・EC・卸売業向け機能を備える受注管理システム 10選
ここからは、おすすめの受注管理システム(受発注システム)を3つご紹介します。システムそれぞれの特徴や料金プラン、機能例などを紹介していますので、こちらも参考にしつつ自社に合う受注管理システムを検討しましょう。(製品名 abcあいうえお順/2026年2月時点)→【並べ替える/機能の有無で探す】




























