ROBO-ONE第5回大会の決勝トーナメント、3回戦から決勝までを見ていこう。「夢と感動、そしてそれを現実に!」というのは今大会のテーマだ。本当に現実になるだろうか。
2回戦までは3分間1本勝負だったけれど、ここからは1分間のデモンストレーションと、1ラウンド2分の3ラウンド制(2ラウンド先取)の試合を行い、それを5人の審査員が採点して勝敗を決めるというスタイルになる。今まではデモンストレーションと試合の点数配分は1:1だったのだけど、今回から1:2に変わった。
ついにこの2体が闘う時がきた。2325-RXというロボットはMetallic Fighterの強い影響を受けているのだ。精神的な意味での先輩後輩の対決。ちょっと詳しく紹介しちゃおう。
デモンストレーションは、倒立、「体を横に曲げる運動」などの試技を行うが、彼らにしては地味な内容だ。お互いに技を見せあうとか、一緒になって形を見せるなどということもない。そのようなものは、この後の試合にとっておくつもりなのか、ひどく淡々と進んだ。
第1ラウンド、2325-RXは間合いを広く取り、いきなりラジオ体操パンチを繰り出すもMetallic Fighterには効かない。間合いを詰めるMetallic Fighter。そこに2325-RXがワンツーパンチを繰り出すと、Metallic Fighterはあっさり倒れてしまう。しかし、すぐに起き上がり、こんどはファイティングポーズを決める。
1分35秒、2325-RXが前転しながらのキック(Metallic Fighterお得意の技)を繰り出すが、Metallic Fighterもこらえる。このあと、観客はみんなびっくりしたのだけど、Metallic Fighter、ここでいきなり逆立ちをやるのだ。コマンドを送り間違えたんだろうか。
しかし、そうではないことがすぐにわかる。再度逆立ちをしたMetallic Fighterが、そのまま2325-RXの上に倒れこむのだ。逆立ちからの浴びせ倒し。2325-RXがダウンから起き上がったところで、このラウンド終了。
動画はこちら(0.6Mバイト)
第2ラウンド、Metallic Fighterがめずらしく自分で転んでしまう。しかも後転しながら起き上がるものだから、立ったところがリング際だ。これを見逃す2325-RXではない。速い足で近づいてラジオ体操パンチ。これがうまく決まって、Metallic Fighterはあおむけに倒れながらリングアウト。これで2ダウンだ。
ここで、ちょっとルールを説明しておく。ROBO-ONEのルールでは、ダウンしたロボットは起きてから2歩歩かないと攻撃できない。ダウンさせたほうはすぐに攻撃していい。これはリングアウトからの回復時も同じだ。
さて、リングアウトした後、レフリーが両ロボットを中央に戻して、試合再開。この瞬間、相手が歩き出すよりも前に、2325-RXが前転キックをきめる。見事に決まってMetallic Fighterは3ダウンでラウンドを失った。とっさにこれができる操縦者はすごい。前大会で「コマンドを覚えていない……」と言われてた人とは思えない。
第3ラウンド、Metallic Fighterがまた自分で転んでしまう。どこか本調子ではない。起き上がりファイティングポーズで向かい合うも、次の攻撃に移ろうとしてポーズを解いたとたんにあおむけに倒れてしまう。起き上がるとまたもやリング際。第2ラウンドと同様に2325-RXがラジオ体操パンチを放つが、Metallic Fighterも腰を引いてよける。しかしリング際だ。
次の動きに移ろうとした瞬間、バランスを崩してリングアウト。これが3ダウン目となった。ラウンドカウント2-0で試合は2325-RXの勝ち。審査も5-0で2325-RXの勝利が決まった。「恩返し」がかなった。
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