ソニーは4月6日、HD撮影用の機器などを開発・販売する「プロフェッショナルソリューションズ ネットワークカンパニー」(PSNC)の事業説明会を開催、放送用のHDカメラなど新製品4機種を発表した。これを皮切りにPSNCは、撮影から編集までHD画質で行える企業向けシステムを開発、販売する。「ソニーはいち早くHDに参入して技術革新を進め、後発組の参入障壁を高くする」(PSNCの大木充プレジデント)
PSNCは、放送局向けの機器を開発・販売してきた「B&Pカンパニー」と、企業向けにブロードバンド関連サービスを提供してきた「ブロードバンドコミュニケーションカンパニー」を統合して2月に設立した。ブロードバンドインフラを活用したHD放送システムなどを提供する。
「地上デジタル放送の開始とともにデジタルTVの普及が進み、HD表示可能なTVは国内で300万台に増えた。FTTH加入者数も100万を突破(関連記事を参照)、HD映像をネットワーク経由で配信できる環境も整っている。しかし、HDコンテンツはまだまだ少ない」(PSNCブロードバンドコミュニケーションカンパニー・尾上喜憲プレジデント)。同社はテレビ朝日や日本テレビ放送網など全国90局以上のTV局にHD撮影・放送用機器を納入しており、これをさらに増やす。
また、TV会議システムや監視カメラなど、カメラとインターネット回線を併用したシステムも開発、販売する。「監視カメラ市場は、国や自治体、企業の警備強化にともなって急成長中。これまでは画像が不鮮明で動きの悪いものが多かった監視カメラに、ソニーの高画質化技術を投入する」(大木プレジデント)。第1弾として、3CCD内蔵の監視カメラ「BRC-300」を5月12日に発売する。
「もはやハードを単品で売る時代ではない」(大木プレジデント)ため、カメラと画像配信ネットワークや画像保存用の大容量ストレージ、機器の動作監視システムなどを組み合わせた総合的なサービスを提供する。将来は安価なコンシュマー向けHD機器も開発、販売する方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR