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日立もDVDレコーダーに本格参入、400GバイトHDD搭載機など5モデルを発表(1/2 ページ)

» 2004年04月15日 14時29分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 日立製作所は4月14日、DVDレコーダー市場に本格参入することを発表した。日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)製の400GバイトHDDを搭載したハイブリッドモデルなど、2シリーズ5製品を一挙に発表。5月下旬から順次発売を開始する。日立製作所ユビキタスプラットフォームグループ長&CEOの立花和弘常務は、「初年度のシェア10%、2005年度にはその倍の20%を取りたい」と意欲を見せた。

photo 日立製作所常務でユビキタスプラットフォームグループ長&CEOの立花和弘氏

 これまでも散発的にDVDレコーダーを発売していた日立製作所だが、ラインアップを揃えて本格参入するのは初めて。立花常務は、この時期に本格参入を決めた理由について「日立は、AVメーカーとしてのブランドイメージが不十分。ブランド価値を上げるため、すべての分野で全く新しい技術で攻める必要がある。地上デジタルとフラットテレビが評価されている今、DVDレコーダーに参入するということだ」と説明している。

 製品ラインアップと店頭実売予想価格(オープンプライス)は下記の通り。

機種名 概要 店頭予想価格(税込み) 発売日
MS-DS400 400GバイトHDD内蔵DVDレコーダー 14万5000円前後 6月中旬
MS-DS250 250GバイトHDD内蔵DVDレコーダー 12万5000円前後 5月下旬
DV-DS160 160GバイトHDD内蔵DVDレコーダー 8万5000円前後 8月上旬
DV-RV7000 VHS一体型DVDレコーダー 6万5000円前後 7月中旬
DV-RX7000 DVD単体レコーダー 5万5000円前後 7月中旬

初の400GバイトHDD搭載モデル

photo 400GバイトHDDを搭載する「MS-DS400」

 ラインアップの中心になるのは、HDDとDVDマルチドライブを搭載するハイブリッドタイプの「MS-DS400」と「MS-DS250」だ。両モデルの違いはHDD容量のみ。いずれもHGST製のHDDを搭載しており、とくにMS-DS400は400Gバイトの「Deskstar 7K400」を世界で初めて採用した。LPモードなら約360時間、SPモードでも約180時間という長時間録画が可能になる。

 DVDマルチドライブは、やはり関連会社の日立LGデータストレージ(HLDS)が開発したもの。DVD-RAM/R/-RW/+R/+RWすべての再生に対応し、録画はDVD-RAM(VR/データ)、DVD-RW(ビデオモードのみ)、DVD-R(ビデオモード)の3メディアをサポートしている。ただし、ケース付きDVD-RAMには対応していないため、利用するときはケースから取り出さなくてはならない。

 ゴーストリダクションチューナーや3次元Y/C分離といった高画質回路も搭載。平均12Mbpsの高画質録画モード「XP+」も併せて設定し、全記録モードで水平解像度約500本を実現したという。コピーワンス番組の録画も可能で、ムーブ機能によりDVD-RAMへ保存できる。ただし、DVDへの直接録画には未対応だ。DVD-RAMに録画したいときは、一度HDDに録画した後、ムーブする形になる。

 EPGには、放送波の「ADAMS-EPG」を採用した。G-GUIDEのような広告表示が入らないため、番組の一覧画面に詳細情報まで表示できるのがメリットだという。また、EPGによる番組検索や録画済み番組(最大1000件)の検索を高速に行えるサーチエンジンも特徴。ジャンル別・出演者別の絞り込み、あるいは録画済み番組検索などは約0.3秒で完了するという。

photo 番組の一覧画面に詳細情報まで表示できる。ただしスクロールは必要だ
photo 録画済み番組のリスト画面では、日付、番組名、放送局で並び替え(ソート)もできる。さらに、未視聴、ジャンル別、出演者で番組を検索できるため、目的の番組を簡単に探し出せる

 さらに、EPGを応用した便利な機能も盛り込まれた。たとえば、チャンネルを切り替えた時にはEPGデータを使って画面内に“番組名”を表示したり、あるいは直接録画ボタンを押して録画を開始しても、その番組が終了すると自動的に録画を停止してくれる「オートストップ録画」などだ。

 野球中継の延長などに対応する「自動延長録画」は、最新の録画予約3件に限り、録画時間を自動的に1時間延長するというもの。延長時間が別の録画予約に重なる場合は、先に予約した録画が優先される仕組みだ。

photo 「自動延長録画」で録画した番組は、再生時に延長分を削除することも可能
photo 前面入力端子。USB1.1ポートは、デジタルカメラ用。USBマスストレージクラスに対応したデジタルカメラなら、テレビ画面にスライドショウなどを表示できる

 このほかにも、1.5倍速の音声付き早見、GOP単位の編集機能、録画番組を一旦削除しても復元できる「録画タイトル復元」などの機能がある。録画タイトル復元は、パソコンのゴミ箱機能に近い機能だが、直近の一番組に限られるほか、削除した後で電源を切ると復活できない。一方の編集機能はIN/OUT点を指定する部分消去など、かなり限定的なもの。デジタルカメラと接続できる前面USBポート以外に目新しいフィーチャーは見られず、録画・視聴の操作性を重視した“VHS代替”指向の製品となっている。

 本体サイズは430(幅)×333(奥行き)×84(高さ)ミリ。重量は約5.3キロ。入力端子はS端子&コンポジットが3系統、出力はD端子1系統とS端子&コンポジットが2系統。光音声出力端子も備えている。

photo リモコン(クリックで拡大)

カードスロットやDV端子も備えた「DV-DS160」

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